慶應義塾

戸田 正博

トダ マサヒロ

Toda, Masahiro

医学部 脳神経外科学教室/教授

基本情報

専門

脳腫瘍、下垂体腫瘍、内視鏡頭蓋底外科、免疫療法

研究者番号

20217508

論文審査資格

医学研究科における論文指導資格 : 修士/博士

略歴

研究

研究概要

頭蓋底手術研究、低侵襲・機能温存手術研究 脳神経外科の中でも頭蓋底疾患に対する手術難易度は高く、さらなる治療成績の向上のため、新たな技術開発が必要です。我々は従来の手術概念を大きく変える内視鏡頭蓋底手術を基盤とした研究を進め、治療成績の向上と内視鏡技術の普及に大きく貢献してきました。内視鏡微小手術解剖、頭蓋底脳静脈の解析、画像解析法の開発、頭蓋底再建法の開発、低侵襲頭蓋底手術の開発など、最先端技術を駆使して、多角的視点から頭蓋底手術および低侵襲・機能温存手術の研究を行っています。 難治性脳腫瘍に対する免疫療法の臨床研究 神経線維腫症2型(NF2)は極めて難治性の疾患で、進行が早く、新たな治療法の開発が求められています。我々はNF2の神経鞘腫の血管内皮細胞及び腫瘍細胞に発現しているVEGF receptor 1 (VEGFR1)及びVEGFR2に着目して、それらを標的としたVEGFR1/2ペプチドワクチンの開発と臨床研究を進めてきました(図1)。ペプチドワクチン投与後、多くの神経鞘腫の増大が制御され、腫瘍縮小のみならず聴力改善例も見られています。NF2に対する免疫療法は世界初であり、保険承認を目指すとともに、他の難治性疾患への応用研究を進めています。 脳神経外科疾患に対する遺伝子細胞療法の橋渡し研究 脳神経外科疾患において、従来の治療では治療困難な疾患・病態に対する新たな治療法の開発を目的として、遺伝子細胞治療の橋渡し研究(translational research)を行っています。 悪性神経膠腫は、最も治療困難な悪性腫瘍の一つで、その背景として、グリオーマ幹細胞(glioma stem cell: GSC)の高い造腫瘍能・浸潤性が挙げられます。ヒトiPS細胞由来神経幹細胞(Neural stem cell: NSC)がGSCに対して遊走能・指向性を有することに着目して、自殺遺伝子(CD-UPRT)をゲノム編集により遺伝子挿入したiPS細胞を作製し、分化誘導した治療用NSCを用いた自殺遺伝子療法を開発しました(図2)。Cytosine deaminase (CD)は抗真菌剤5-FCを抗腫瘍剤5-flurocytosune(5-FU)に変換する酵素で、bystander効果により、近傍のGSCに対して選択的に細胞死を誘導します。動物モデルにおける有効性を証明し、現在、世界初の臨床試験の準備を進めています。 脳神経外傷や脳血管疾患の後遺症による脳機能障害は、生活の質に大きな影響を与えますが、現在なお有効な治療法がありません。NSCを用いた神経再生治療は、以前より注目されていましたが、細胞の供給と腫瘍化リスクの問題を抱えていました。そこで、我々は自殺遺伝子が組み込まれたiPS細胞からNSCを誘導することにより、腫瘍化リスクを回避し、安定供給可能な技術を開発しました。脳挫傷動物モデルにおいて、移植NSC由来の神経細胞の生着と運動機能の改善効果を証明し(図3)、一方、自殺遺伝子を作動させることにより、未分化状態で残存したNSCを死滅させ、周囲正常組織に明らかな影響がないことを明らかにしました。脳神経外傷や脳血管疾患に対する安全な再生医療の実現のため、詳細な治療機序と安全性の解析を進めています。

研究活動

Scopus論文情報

最終更新日
年ごとのScopus論文数
出版年論文数
19931
19942
19952
19982
19994
20003
20013
20023
20031
20047
20052
20063
20072
20084
20093
20109
20113
20126
20132
20145
201512
20169
20179
201814
201921
202023
202120
202216
202314
202422
20259
202614
総文献数
250
総引用数
4913
h-index
39

教育活動

社会活動