
黒川 行治
クロカワ ユキハル
Kurokawa, Yukiharu
商学部/名誉教授略歴
総合紹介
「会計社会」とは、「会計に関わる当事者、当事者の行動、当事者を取り巻く内部および外部環境(制度、規則を含む)の総体である。また、循環的定義となるが、「会計」とは、会計社会を構成する人々の行為と、それら行為の連鎖の媒介となる会計情報自体をいう。会計情報が作成され利用されるまでに行われれる行為は、①「社会的選択としての会計基準の設定」のレベル、②①の結果である会計基準の適用過程における「個々の企業の会計方法の選定ー私的選択」のレベル、③このようなプロセスを経て産出される「会計情報の利用における選択(意思決定)」のレベルに分類される。また、会計研究の志向には、a現実の説明に重点をおく実証主義的志向と、b理想や政策を追求しその実現を志向する方法がある。私は、研究対象である会計をこのように広く想定して研究を続けてきたので、これまでの研究テーマを3×2の6つの種類に分類して紹介することにする。 ①a:経済社会のグローバリゼーション、会計ビッグバン、金融資本主の全盛、それを意味する資本市場および企業の営利経済行動の変容と会計情報との関連性についての実態を、大規模なアンケート調査等を行って明らかにしようとした。 ②a:企業の決算政策(会計方法の私的選択)の実態を、ファイナンス理論・政治経済理論だけでなく、社会学および文化論で取りあげられる要因(例えば、経営者のポリシーや態度、社長の出自、創業地、企業系列など)を含めたモデルでの実証研究。 ③a:多変量解析法(判別関数、主成分分析等)を用いた倒産予測モデルの開発。 ①b:情報理論、意思決定理論、フォーマル測定論の概念枠組みを用いた会計情報の特徴や意義の研究。 ①b:退職給付債務、企業結合(連結および合併を含む)、温室効果ガス排出量取引、資産除去債務、非金融負債、人的資産等に関する会計基準設定の考察。これらの課題については、会計基準設定組織に関係し、基準設定討議に参加する機会に恵まれたことが検討・考察する過程で役立っている。
研究
研究キーワード
- 財務会計
- 会計情報
研究分野
会計学
社会活動