慶應義塾大学医学部
東京科学大学
静岡大学
双極性障害は、初期には躁状態がまだ明確に現れていないことなどから、初診時にうつ病と診断されることが多く、正確な診断まで平均およそ6年を要するとされています。また、「うつ状態」「躁・混合状態」など、双極性障害の状態像によって治療方針は大きく異なります。しかし、その状態を客観的に見分けることの難しさが臨床上の課題でした。
慶應義塾大学 岸本泰士郎教授(医学部 医科学研究連携推進センター)、東京科学大学 髙橋英彦教授(医歯学総合研究科 精神行動医科学分野)、静岡大学 狩野芳伸教授(グリーン科学技術研究所/情報学部)らを中心とする本研究グループは、約10年間にわたり500名を超える精神疾患患者を対象に、自然な会話や課題に基づく会話を収集し、1回30〜60分の会話記録として世界最大級となる約1,300件のデータセットを構築してきました。本研究ではこのうち、双極性障害患者61名・健常者99名の面接会話をAIで解析し、高い精度で両者を判別できること、また状態像の判別も可能であることを明らかにしました。特筆すべきは、判別の重要な手がかりとなったのが、会話の内容よりも、声の高さやトーンといった音響的な特徴であった点です。この結果は、発話内容よりも、声の音響的な特徴の方がより重要な手がかりとなりうることを示唆しています。
本研究成果は、2026年11月1日(米国東部時間)に国際学術誌Journal of Medical Internet Research(JMIR)に掲載されました。
プレスリリース全文は、以下をご覧下さい。