慶應義塾

ALSのミトコンドリア機能改善に新知見

-ALS患者由来iPS細胞などでMA-5による病態改善効果を確認-

公開日:2026.09.24
広報室

国立大学法人東北大学

国立大学法人京都大学

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

学校法人慶應義塾

国立研究開発法人日本医療研究開発機構

【発表のポイント】

  • ミトコンドリア機能を高める低分子化合物MA-5が、SOD1変異を持つ筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルショウジョウバエの運動機能とミトコンドリア機能が改善することを明らかにしました。

  • MA-5は、ALS患者由来の皮膚線維芽細胞や患者由来iPS細胞から作製した運動神経細胞において、ATP産生やミトコンドリア機能を改善する作用を確認しました。

  • 本成果は、ミトコンドリアを標的としたALSの治療法を検討する基盤となることが期待されます。

ALSでは、運動神経細胞のエネルギー産生を担うミトコンドリアの異常が病態に関与すると考えられています。

東北大学の豊原敬文教授、阿部高明教授、青木正志教授、鈴木直輝准教授、及川善嗣医師(研究当時 東北大学病院)、羅予涵大学院生、京都大学の倉永英里奈教授、国立精神・神経医療研究センターの青木吉嗣部長、村松里衣子部長、慶應義塾大学の岡野栄之教授、森本悟特任教授、曽我朋義特任教授らの研究グループは、ミトコンドリア機能を高める低分子化合物Mitochonic acid 5(MA-5)のALSに対する効果を、変異SOD1型ALSモデルのショウジョウバエ、ALS患者由来の皮膚線維芽細胞や患者由来iPS細胞から作製した運動神経細胞を用いて検証しました。その結果、MA-5は、ALSのショウジョウバエで低下していた運動機能やATP産生、ミトコンドリア膜電位を改善し、ALS患者由来の各細胞においてもATP産生やミトコンドリア機能などを高めることを明らかにしました。本研究は、さまざまなALSの病型に共通するミトコンドリア機能異常を標的とする研究の基盤となることも期待される成果です。

本研究成果は、2026年9月23日にJCI Insightに掲載されました。

プレスリリース全文は、以下をご覧下さい。

プレスリリース(PDF)