慶應義塾大学
慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程1年の髙橋諒全と同大学理工学部化学科の古川良明教授らは、機械学習を利用したタンパク質設計技術により、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に関連するタンパク質SOD1の異常凝集を抑える人工タンパク質を開発しました。
ALSは、運動を担う神経細胞が徐々に失われる神経変性疾患で、その原因の一部はSOD1遺伝子の変異によるものとされています。正常なSOD1は、2つの分子が結合した安定な二量体として存在しますが、変異などによってSOD1が不安定化すると二量体から単量体へと解離しやすくなり、さらにそれらが異常なオリゴマーやアミロイド線維へと凝集することが知られています。
本研究では、凝集しやすい単量体SOD1を選択的に認識し、正常な二量体SOD1には結合しない人工タンパク質を機械学習によって設計しました。X線結晶構造解析により、設計した人工タンパク質が計算機の予測通りに単量体SOD1に結合していることを実験的に証明するとともに、試験管内でSOD1の異常なオリゴマー形成およびアミロイド線維形成を抑制することを明らかにしました。
本成果は、疾患関連タンパク質が異常凝集へ至る過程で現れる特定の構造状態を選択的に標的とする人工タンパク質を設計することで、神経変性疾患の進行を制御できる可能性を示すものです。
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