慶應義塾大学
神戸薬科大学
慶應義塾大学理工学部応用化学科の蛭田勇樹准教授、および神戸薬科大学の佐野紘平准教授、山﨑俊栄准教授、向高弘教授らの研究グループは、薬剤を目的部位へ効率的に送達するためのシステム「ドラッグデリバリーシステム:DDS」に広く用いられているポリエチレングリコール(PEG)の代替となりうるポリマーについて、分子構造の違いが体内動態へ及ぼす影響を体系的に解明しました。
従来、PEGは薬剤を長時間血液中に留めるためなどに利用されていますが、近年、繰り返しの投与による抗PEG抗体の生成やアレルギー反応などのリスクが課題となっており、PEGに代わる新たな生体適合性ポリマーの開発が求められています。
本研究では、側鎖の長さや構造が異なる3種類の親水性モノマーおよび疎水性度が異なる3種類の疎水性モノマーを組み合わせ、9種類のポリマーを作製し、物理化学的特性や生体内分布を比較しました。その結果、ブラシ状の親水性側鎖が長いポリマーほど血液中に長く滞留し、がん組織へ高く集積することを示しました。また、疎水性モノマーの性質を変化させることで、腎臓や肝臓への集積性をコントロールできることを明らかにしました。本成果は、がんを標的とする次世代のDDSに資するポリマー型薬剤の分子設計に有益な知見を与えるものと期待されます。
本研究の成果は、2026年7月4日に、アメリカ化学会誌「Biomacromolecules」に掲載されました。
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