岡山大学
東京大学
慶應義塾大学
国際医療福祉大学
◆発表のポイント
心不全モデルマウスを用いた解析により、心不全の状態で活性化される線維芽細胞がc-MYCを介してCXCL1を分泌し、心筋細胞の機能を低下させる新たなメカニズムを発見しました。
従来は構造支持細胞と考えられていた線維芽細胞が、心不全の進行に直接関与しうることを世界で初めて示し、非心筋細胞による病態制御の重要性を明らかにしました。
心不全は高齢化社会で患者数が増加する重大疾患で、本研究は、心筋以外の細胞を標的とした新しい治療法の開発につながる可能性があり、臨床応用が期待されます。
岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)循環器内科学の湯浅慎介教授、東京大学大学院医学系研究科先端循環器医科学講座の小室仁日本学術振興会特別研究員、慶應義塾大学医学部内科学教室(循環器)の家田真樹教授および国際医療福祉大学の小室一成教授らは、 心不全の進行に“心臓の線維芽細胞”が深く関与する新たな仕組みを明らかにしました。
研究チームは、心不全モデルマウスを用いた解析により、これまで「構造を支持しているだけの細胞」と考えられていた線維芽細胞が、c-MYCというタンパク質を介してCXCL1という分子を分泌し、心筋細胞のCXCR2という受容体を介して心不全を増悪させることを発見しました。さらに、このc-MYC-CXCL1-CXCR2経路の働きをブロックすることで心不全の悪化を防げることも示され、心不全の新たな原因解明とともに、非心筋細胞を標的とする新しい治療法の可能性が示唆されました。本研究成果は基礎研究段階ですが、ヒト心不全患者でも同様のメカニズムが確認されており、今後の臨床応用が期待されます。
本成果は、2025年9月10日、国際学術誌「Nature Cardiovascular Research」に掲載されました。
プレスリリース全文は、以下をご覧下さい。