慶應義塾

魚の油「オメガ3脂肪酸」由来の新たな代謝物が難病の肺高血圧症の進行を抑える

公開日:2022.06.29
広報室

2022/06/29

慶應義塾大学医学部

慶應義塾大学医学部内科学教室(循環器)の守山英則共同研究員(研究当時:同教室助教)、遠藤仁専任講師らの研究グループは、炎症細胞の一つである肥満細胞で、心臓や血管によいとされる魚油に含まれる「オメガ3脂肪酸」の代謝物(エポキシ化オメガ3脂肪酸)が産生され、肺血管の異常な線維化を抑えることを明らかにしました。さらに、このエポキシ化オメガ3脂肪酸の産生酵素であるPAF-AH2が、難病の肺高血圧症と深く関連することを動物実験や患者のゲノム情報から明らかにし、この脂質の補充投与が肺高血圧症を改善させる治療手段となりうることを示しました。

肺高血圧症は原因不明の肺動脈狭窄から右心不全を来す難病で、いまだ有効な治療手段の乏しい疾患です。本研究成果は、新たな病態メカニズムの解明とともに、疾患の根本にアプローチする新規治療の創出につながります。また、将来的には遺伝子情報に基づいたプレシジョン・メディシンへの応用も期待されます。

本成果は、2022年5月31日(英国時間)にNature Communications電子版に掲載されました。

プレスリリース全文は、以下をご覧下さい。

プレスリリース(PDF)