慶應義塾

第4回助成

今回私はイタリア・ミラノで開催された第48回 International Symposium on High-Performance Liquid Phase Separations and Related Techniqueにて「Development of Label-free Stem Cell Separation System Using Mixed Polymer Brush Consisting of Thermo- responsive and Cationic Polymers」という演題で口頭発表させていただきました。具体的には、間葉系幹細胞の分離精製を目指した温度制御による新しい細胞分離システムの開発についての研究報告になります。間葉系幹細胞は多能性を持ち、iPS細胞と同等に再生医療において注目される幹細胞ですが、従来の分離システムにおいては蛍光色素や磁気ビーズなどによる細胞修飾が必要であり人体への悪影響や細胞の活性の低下などが懸念されております。そこで我々は温度応答性高分子PNIPAAmが32℃を境に疎水性・親水性の鋭敏な可逆的性質変化を起こすことに着目し、温度変化のみで間葉系幹細胞の平板への接着・脱着挙動制御を可能にするシステムを考案しました。また、細胞が負電荷を帯びることを利用してガラスにカチオン性高分子を修飾することで、これまでの先行研究と比較して分離精度の向上や大幅な時間短縮に成功致しました。

学会参加を通して細胞の分離という研究分野はまだ新しく研究の余地が大きいと感じました。また、発表のみならず英語での質疑応答など修士の学生としては非常に得難い体験や、海外の研究者の方との交流を通じて多くの刺激を受けることができました。今回、温かいご支援によりこのような貴重な体験を実現させて下さった佐藤製薬株式会社様に心よりお礼申し上げ、今後さらに学業と研究に励んでいく所存です。

(大学院薬学研究科 修士課程1年/若山 暖乃)

The 4th Joint Conference Keio & Kaohsiung Medical University(2019年9月16日~22日)(台湾)

台湾の高雄医科大学で行われた、The 4th Joint Conference Keio & Kaohsiung Medical Universityにおいて Development of Oxidative C-C Bond Formation between Phenols and Alkenesという演題で口頭発表した。本研究は芳香族化合物であるフェノール構造と炭素--炭素二重結合を持つ化合物を酸化的な方法で反応させ、新たな炭素−炭素結合を形成するものである。

本内容を慶應義塾大学と高雄医科大学の医、理工、薬学研究者、大学院学生と討論し、演者らが見出した反応の新規性、先見性、有用性を示した。本学会において、生理活性天然物の単離・構造決定、合成、ケミカルバイオロジー、医薬化学等について討論、また貴重な助言をいただき、これからの研究への指針が得られた。とりわけカルベン配位子を用いたナノマテリアルへの応用や、海洋由来の天然物の単離・構造決定の研究は普段聞くことのできない内容であり、非常に有意義であった。また、英語による口頭発表の機会や海外研究者らとの討論は日常生活では得られない貴重な経験であった。

本研究は、生理活性天然物の合成のみならず、芳香族化合物の新しい合成方法論の開発を視野に入れたものである。種々の有機化合物の効率的合成的供給が実現すれば、有望な医薬の創出に応用可能であり、薬学分野の発展に大きく寄与すると考えている。

最後に、本発表は佐藤製薬株式会社Sato Pharmaceutical Research Encouragement Awardにより実現した。ここに深く感謝申し上げます。

(大学院薬学研究科 修士課程2年/出口 裕己)

画像

American Society of Pharmacognosy 2019 Annual Meeting(2019年7月12日~19日)(アメリカ・ウィスコンシン)

ウィスコンシン州マディソンにて開催されたAmerican Society of Pharmacognosy 2019 Annual Meetingに参加し、"ASolubility-Enhancement of Berberine-Baicalin Complex by Crocins"というタイトルでポスター発表を行いました。

本研究では、漢方薬黄連解毒湯を煎じる過程で起こる成分間相互作用を解析しています。これまでにベルベリンとバイカリンが水中で形成する沈殿に対し、処方を構成する生薬のサンシシに含まれるクロシン類が、ある程度の溶解性を示すことを明らかにしています。今回は、各クロシン単体での溶解活性の測定結果およびMSとNMRによる溶解機序の解析結果について発表致しました。

研究に至った背景や、沈殿形成および溶解過程でのメカニズムについて専門分野を問わず多くの方とディスカッションを行いました。その結果、成分間相互作用と沈殿の溶解性向上という現象の間にある未解決な点や、内容をわかりやすく伝えるために説明すべきポイントなどを明確にすることができました。加えて、漢方薬にみられる、複数の生薬を組み合わせて使用するという特質に注目している海外の研究者がいるということを、直接知ることができました。また、天然物の分析法に関するポスター発表での質疑応答や、接する機会の少ない海産および菌由来天然物がテーマの講演を見聞きしたことなど貴重な経験を多く積むことができ、充実した学会参加となりました。この経験を最大限生かし、今後の研究に一層力を入れて取り組む所存です。

この度の学会参加に伴う費用を助成していただきました佐藤製薬株式会社様に、心より御礼申し上げます。

(大学院薬学研究科 博士課程3年/大越 一輝)

画像

2019 Asian Association of Schools of Pharmacy Conference(2019年7月2日~5日)(韓国・ソウル)

私は現在、CYP2C19変異型分子種における 基質特異性の比較と CYP2C19 阻害剤に対する阻害特性の比較を行っています。昨年、我々のグループはCYP2C19変異型分子種において、OPZ 代謝活性が大きく変動し、また CYP2C19.23 (I331V, G91R) における代謝活性の変動は2つあるアミノ酸変異のうち、G91Rに起因する可能性が高いことをつきとめ、報告しました。そして今回韓国で行われた「2019 Asian Association of Schools of Pharmacy Conference」においてポスター発表を行いました。

初めての海外の学会で思うようにコミュニケーションが取れず悔しい思いをすることもありましたが大変良い刺激となり、次の機会には今回よりもさらに多くのことを得られるように頑張ろうという気持ちになりました。

最後に、今回の学会発表において多大なるご支援、ご協力をいただいた佐藤製薬株式会社様に深くお礼を申し上げます。

(大学院薬学研究科 修士課程1年/渡辺 大智)

画像

この度、ミラノにて開催された48th International Symposium on High-Performance Liquid Phase Separations and Related Techniquesに参加し、New cell separation method using the thermoresponsive surface modified with cell adhesion peptidesと題したポスター発表を行いました。近年、新たな医療モダリティーとして体外で培養した細胞や組織を人体に移植する再生医療に注目が集まっていますが、生体から必要な細胞を採取・培養する際の安全性・コストには未だ課題が集積しており、簡便かつ非侵襲的に必要な細胞を分離する技術が望まれています。本発表では、温度変化により性質が変化する特殊な高分子と細胞外マトリックス由来の細胞接着性ペプチドを修飾した温度応答性培養皿を用いることで、特定の細胞のみを捕捉し非侵襲的に回収することのできる可能性が示されたことを報告しました。

幅広い分野の多くの方にポスターを見ていただき、様々な視点から客観的な意見をいただいたことでこれまでになかった発想が得られ、今後の研究の指針や改善点が明確となりました。また多数のユニークな研究発表を拝聴し、他の研究者の柔軟な発想力に感心するとともに新しい知見が得られました。国際学会ということで世界のレベルの高い研究から多くの刺激を得ることができ、貴重な経験であったと感じています。本学会で得られたことを最大限に活かし、今後の研究にもより一層精進していく所存です。

最後になりますが、この度佐藤製薬株式会社様より研究奨励資金として多大なご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

(大学院薬学研究科 修士課程2年/志村 昌紀)

画像

第61回日本脂質生化学会(2019年7月4日~5日)(北海道・札幌市)

私は,7月4日(木)〜7月5日(金)に北海道大学にて開催された「 第61回日本脂質生化学会 」に参加し,口頭発表を行いましたため,報告させていただきます。

本学会は著名な脂質の専門家の先生方が全国から集まる学会です。学会当日までは自分の研究をいかにわかりやすく伝えるかと試行錯誤の日々でしたが,発表の際には三連四重極型LC-MS/MS を用いた包括的な脂質解析をはじめとした1つ1つのデータに興味を持っていただくことができ,準備期間の努力が報われたと感じました。さらに,発表後の質疑応答の際には今まで私が読んでいた論文の著者本人である著名な先生方から様々な質問やアドバイスをいただくことができ,自分の研究のさらなる向上のために必要なことや,自分の研究の強みに気づくことができました。また,これまでの自分の研究をたくさんの方に興味を持っていただけたことや,認めていただけたことが嬉しく思い,更なる研究の発展に尽力したいと感じました。さらに,著名な先生方の今までの研究の背景や現在の最新データを発表する姿,自分と同い年の他大学の学生が発表する姿を目の当たりにし,強く刺激を受け,今後の研究活動の励みになる貴重な経験ができました。

最後になりましたが,学会参加を通して研究の発展だけでなく,自分の成長につながるような機会を与えて下さった,佐藤製薬株式会社様に心より御礼申し上げます。

(大学院薬学研究科 修士課程1年/平野 愛美)

画像

第22回日本医薬品情報学会総会・学術大会(2019年6月29日~30日)(北海道・札幌市)

私は、第22回日本医薬品情報学会総会・学術大会にて、「静注データを用いない絶対バイオアベイラビリティ推定法の推定精度検証」という演題でポスター発表を行いました。

経口投与医薬品の絶対経口バイオアベイラビリティ (BA) を求めるためには、原則として経口投与試験のデータとともに静脈内投与試験のデータも必要です。今までに、静注データがなくても BA を算出できることを理論的に示し、実際の医薬品で精度の検証を行いましたが、検証に使用できるだけのデータが揃っている医薬品の数が少ないのが現状です。そこで、母集団薬物動態シミュレータ (SimcypTM) を用いて、モデル薬物でin silicoシミュレーションを行うことで BA 推定法の精度を検証いたしました。

学会では、医薬品情報をはじめとした様々な分野の方々から多くの質問やコメントをいただき、議論を交わすことができました。その中には、今まで考えもしていなかった視点からの考察や意見もあり、自分自身の視野を広げることができました。また、学会参加にあたり、自身のこれまでの研究を深く見つめ直すことで、新たな気付きも得ることができました。

今回の学会参加で得られた知見を活かし、今後の研究活動に努めたいと思います。

最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださった佐藤製薬株式会社様に厚く御礼申し上げます。

(薬学部薬学科 6年/岩田 夏美)

画像

医療薬学フォーラム2019 / 第27回クリニカルファーマシーシンポジウム(2019年7月12日~14日)(広島県・広島市)

私は広島県で行われた、医療薬学フォーラム2019第27回クリニカルファーマシーシンポジウムに参加いたしました。演題は「CYP3A4各種遺伝的バリアントの代謝活性に対するpH の影響」として、ポスター発表を行いました。

In vitro薬物代謝試験はヒトの細胞外液pHであるpH7.4で行われています。しかし肝細胞内のpHは7.0との報告もあり、pH 環境による代謝活性への影響は不明です。本研究では基質にmidazolamを用いて、CYP3A4の代謝活性に対するpHの影響を野生型および4種のバリアント間で比較検討しました。本研究によって、pH はいずれのバリアントにおいても、主に最大反応速度Vmaxを変化させることで代謝活性に影響をもたらすこと、代謝活性に対するpHの影響の程度は、バリアント間で大きく異なることを見出しました。

発表後には、薬物代謝酵素を用いた研究を行っている先生方と有意義なディスカッションをすることができました。私個人では考慮していなかった観点からの貴重なご意見をいただき、それらを今後の研究につなげていきたいと考えております。また、多くのポスター発表やシンポジウムを聞く機会があり、研究内容のみならず相手に伝わりやすい発表方法も学べた良い機会となりました。この経験を今後の学生生活に活かせていければと思います。

最後になりますが、本学会への参加は、佐藤製薬株式会社様からのご支援により実現いたしました。この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

(薬学部薬学科 6年/江尻 里奈)

画像

佐藤製薬株式会社研究奨励資金 過去の活動報告一覧

全3枚中1枚目を表示中

佐藤製薬株式会社研究奨励資金 過去の活動報告一覧

全3枚中1枚目を表示中