慶應義塾

第9回助成

第68回日本化学療法学会総会(2020年09月12日~14日)(兵庫県神戸市)

兵庫県神戸市で行われました第68回日本化学療法学会総会に参加し、「Clostridioides difficile感染症に対するメトロニダゾールとバンコマイシンの有効性及び安全性評価」という演題で口頭発表を行いました。

日本のClostridioides difficile感染症 (CDI) 診療ガイドラインでは非重症例に対してメトロニダゾール (MNZ)、重症例に対してバンコマイシン(VCM)が第一選択薬とされていますが、米国では重症度に関わらず VCM、フィダキソマイシンが第一選択薬となっています。

本研究では、CDIに対するMNZおよびVCMの有効性及び安全性について、後方視的に評価を行いました。その結果、MNZとVCMの有効性に差はありませんでした。安全性は嘔気の発現率のみMNZで高く、その発現率は女性で高く、嘔気が発現した年齢は非発現群に比べて低い結果となりました。よってMNZを非重症例の第一選択薬とする国内のガイドラインは支持でき、MNZにより嘔気が発現する可能性がある場合には、VCMの使用を考慮すべきであると示唆されました。

この日本化学療法学会は感染症の治療や研究に関わる人が多く集まる学会であり、臨床現場の視点や他の研究からの視点で様々な意見をいただきディスカッションをする貴重な機会となりました。また、他の研究者や臨床の先生方の発表や講演を聴くことで、最新の知見を得ることができました。この経験を今後の研究の糧としていきたいと思います。学会に参加するにあたり、多大なるご支援を賜りました佐藤製薬株式会社様に心より感謝申し上げます。

(大学院薬学研究科 博士課程1年/三澤 可奈)

第68回日本化学療法学会総会(2020年09月12日~14日)(兵庫県神戸市)

私は第68回日本化学療法学会総会において、「マウスにおけるテジゾリドの薬物動態解析」というタイトルで口頭発表を行いました。

近年、多種薬剤耐性菌による感染症が日本を含む全世界範囲で増加傾向にあり、この中で、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の治療が特に困難で死亡率も高いという報告があります。テジゾリド (TZD) はリネゾリドと同等の有効性を示し、血小板減少などの副作用が軽減された新規MRSA感染症治療薬です。しかしその有効性に関するpharmacokinetics/pharmacodynamics (PK/PD) 評価は未だ不十分です。そこで本研究では、好中球減少マウス大腿部MRSA感染モデルを用いてTZDのPK/PD評価を行い、テジゾリドのさらなる適正使用のためのエビデンスを充実させました。

今回日本化学療法学会総会様から発表の機会を頂いて、この多くの臨床で活躍されている医療従事者や感染症の専門家が集まった学会で、我々の研究結果を現場の方や研究者達に発信することができました。またこの学会で、我々の研究について様々な研究者と議論することで、新しい視点を吸収し、また別の分野の先生方からご指摘を賜ることで、研究のさらなる発展につなげました。

最後になりますが、この場を借りて多大なるご支援を賜りました佐藤製薬株式会社様に心から感謝申し上げます。

(大学院薬学研究科 博士課程2年/劉 小茜)

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第68回日本化学療法学会総会(2020年09月12日~14日)(兵庫県神戸市)

この度、兵庫県神戸市で行われた第68回日本化学療法学会総会にて Cefditoren のPK/PD 解析について口頭発表いたしました。

Cefditorenはバイオアベイラビリティが低く、タンパク結合率が高いものの、通常投与量は1日300mgと注射用の抗菌薬と比べると少なく、耐性菌の発現などが懸念されている第三世代経口セファロスポリン系抗菌薬です。しかし、ガイドラインではインフルエンザ菌による肺炎などに対して第一選択薬として推奨されており、PK/PD理論を用いた科学的根拠に基づいた投与法の構築が求められています。

私は、肺炎球菌大腿部感染マウスに対するCefditorenのPK/PD試験を行い、インフルエンザ菌や肺炎球菌に対してin vitroで高い抗菌活性を有すること、in vivoでは、一般的には濃度依存的に薬効を示すβ-ラクタム系薬であるにも関わらずAUC/MIC/τに相関が見られ、薬効を発揮するには頻回投与で、かつ総投与量が高くなるように投与設計する必要があることを発表しました。

本研究結果は抗菌薬の適正使用を推進するための重要なエビデンスとなると考えております。また、他の先生方の発表を聴講することで、独創的な発想や研究技術を学ぶことができ、視野が大きく広がったとともに、今後の課題や重点的に取り組みたい研究を明確にすることができたと実感しております。

最後になりますが、この度は佐藤製薬株式会社様からの多大なる御支援を賜り、無事に学会発表を行うことができたことをこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。

(大学院薬学研究科 博士課程2年/五十嵐 裕貴)

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第68回日本化学療法学会総会(2020年09月12日~14日)(兵庫県神戸市)

私は兵庫県で開催されました第68回日本化学療法学会総会に参加し、一般演題で「好中球減少マウス大腿部感染モデルを用いたESBL産生大腸菌に対するflomoxefのPK/PD評価」、シンポジウムで「オキサセフェム系抗菌薬」の口頭発表を行いました。

ESBL(extended-spectrum beta-lactamase)産生大腸菌感染症は検出率が高く世界で大きな脅威となっている耐性菌感染症です。私はオキサセフェム系抗菌薬であるflomoxef(FMOX)に注目し大腿部感染マウスモデルを用いてESBL産生大腸菌に対するpharmacokinetics/pharmacodynamic(PK/PD)研究を実施しました。本研究によりFMOXのESBL産生大腸菌に対する最適なPK/PDパラメータ及び目標値を明らかにしました。シンポジウムでは「オキサセフェム系抗菌薬」という演題でFMOXを含むオキサセフェム系抗菌薬の特徴、使用方法さらに本研究結果に基づくESBL産生大腸菌感染症に対する人におけるFMOXの具体的な用法用量を含む新規治療法を発表させていただきました。

臨床現場の医師、薬剤師の先生方から多くのご質問、ご意見を賜り本研究の意義、さらに今後の展開を再確認できました。先生方から頂いたお言葉を糧にさらに本研究を発展させていく所存です。また他の先生方の発表を拝聴し感染症についてさらに知見を広げられたことも貴重でした。 学会発表に際しまして、研究奨励資金をご出資いただいた佐藤製薬株式会社様に厚く御礼申し上げます。

(大学院薬学研究科 博士課程2年/田代 渉)

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佐藤製薬株式会社研究奨励資金 過去の活動報告一覧

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