慶應義塾

第14回助成

第95回日本生化学会大会(2022年11月08日~11日)(愛知県名古屋市)

私は第95回日本生化学会大会において、「融合型チロシンキナーゼNPM-ALKによる発がん誘導におけるSTAT3のアセチル化の機能解析」という演題で口頭発表および、ポスター発表を行いました。

未分化大細胞リンパ腫 (ALCL) では染色体転座により、融合型チロシンキナーゼNPM-ALKが発現します。発現したNPM-ALKは恒常的に活性化し、転写因子STAT3のリン酸化を誘導することで、細胞増殖や腫瘍形成を誘導することが報告されています。私達は、NPM-ALK発現Ba/F3細胞において、NPM-ALKの活性依存的に、STAT3の685番目のリジン残基がアセチル化されることを新たに見出しました。今回、私達は、STAT3をノックダウンしたNPM-ALK発現Ba/F3細胞に、野生型STAT3あるいはアセチル化を阻害したSTAT3変異体(K685R)を再構成することにより、STAT3のアセチル化の生理的意義を解析しました。その結果、STAT3のアセチル化は、NPM-ALKによるSTAT3のリン酸化を抑制し、NPM-ALKが誘導する細胞増殖や腫瘍形成に対して、抑制的に働くことを明らかにしました。

今回、生化学大会で発表の機会をいただき、さまざまな領域の研究者の方から、新たな視点からのご指摘やご質問をいただき、今後の研究の発展につながるディスカッションをすることができました。また、他の研究領域の発表や最新の研究知見に触れることで、研究へのモチベーションを高めることができ、大変貴重な経験になりました。

佐藤製薬株式会社様からの多大なるご支援を賜り、学会発表を行うことができ、心から感謝申し上げます。今後、さらに真摯に研究に向き合っていきたいと思います。

(薬学研究科 修士課程1年/向來 朗)

第95回日本生化学会大会(2022年11月09日~11日)(愛知県名古屋市)

私は、愛知県名古屋市にて開催された第95回日本生化学会大会に参加し、「エリスロポエチンによるSTAT5非依存的な細胞増殖誘導の分子機構の解析」というテーマで口頭発表およびポスター発表を行いました。

これまで、造血性サイトカインであるエリスロポエチン (Epo) による赤血球の分化・増殖の誘導には、転写因子STAT5が必要であると考えられてきました。しかし私達は、STAT5の活性化を誘導しないEpo受容体の変異体 (EpoR-HM) 発現細胞においても、Epo刺激による細胞増殖が誘導されることを見出しました。そこで、DNA microarrayにより、EpoR-HM発現細胞における遺伝子発現解析を行い、EpoによりSTAT5非依存的にプロトオンコジーンであるc-Mycの発現が誘導されることを明らかにしました。また、Epoが、転写因子STAT3、及びMEK-ERK経路の活性化を介してc-Mycの発現を誘導する分子機構を明らかにしました。

本学会において、他の研究者達とディスカッションを行ったことで、さらなる詳細なメカニズムの解明、および赤血球の分化に及ぼす影響の評価が今後の課題であると考えられました。特に、同年代で活躍する研究者との交流は、今後の自身の研究に対する大きなモチベーションにつながりました。本学会に参加するにあたり、多大なるご支援を賜りました佐藤製薬株式会社様に厚く御礼申し上げます。

(薬学研究科 博士課程1年/武田 健吾)

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第95回日本生化学会大会(2022年11月08日~11日)(愛知県名古屋市)

この度、愛知県名古屋市で行われた第95回日本生化学大会にて「NPM-ALKによる発がん誘導におけるSTAT3のリン酸化の役割の解明」についてポスターおよび口頭発表いたしました。

未分化大細胞リンパ腫の約半数の患者では、遺伝子転座t(2;5)(p23;35) により、融合型チロシンキナーゼであるNPM-ALKが発現します。NPM-ALKは、恒常的に活性化しており、転写因子STAT3を介して発がんシグナルを誘導することが知られているが、その詳細な分子機構は不明です。

私は、 sh-RNAを用いてSTAT3の発現を抑制したNPM-ALK発現Ba/F3細胞(STAT3-KD細胞)に、野生型STAT3、あるいは、リン酸化を抑制したSTAT3変異体(Y705F、S727A)を再構成することにより、NPM-ALKによる発がん誘導におけるSTAT3のY705、S727のリン酸化の生理的意義を検討しました。その結果、NPM-ALKは、STAT3のY705のリン酸化を介して細胞増殖や腫瘍形成を誘導することを明らかにしました。さらに、NPM-ALKがSTAT3のY705のリン酸化を介して発現を誘導する9種類の遺伝子を同定しました。以上の研究を通して、NPM-ALKによる発がん誘導機構の一端を明らかにすることができました。

今回、学会での発表を通して、多くの研究者の方からご質問、ご意見をいただき、今後、研究を進める上で、非常に参考になりました。また、他の研究者の発表を聴講し、自身の知見を広げられる貴重な経験になりました。

最後になりますが、この度、佐藤製薬株式会社様から研究奨励資金により、学会で発表する機会をいただきましたことを厚く御礼申し上げます。

(薬学研究科 博士後期課程3年/林 昕)

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第95回日本生化学会大会(2022年11月09日~11日)(愛知県名古屋市)

私は第95回日本生化学会大会において、「コーヒーによる神経炎症の抑制分子メカニズムの解析」というタイトルで口頭発表及びポスター発表を行いました。疫学調査により、コーヒーの飲用はアルツハイマー病やパーキンソン病といった神経変性疾患の発症や進行を抑制することが明らかになっていますが、その詳しいメカニズムは不明です。そこで本研究では、これらの疾患の病態形成に関与する神経炎症に着目し、コーヒーが神経炎症に与える影響を検討すると共に、神経炎症を抑制するコーヒー含有成分の同定を行いました。マウスミクログリアであるBV2細胞と、神経炎症モデルマウスを用いた実験により、コーヒーには神経炎症を抑制する活性があることを明らかにしました。また、コーヒーに含まれるピロカテコールが、その活性成分であることを明らかにしました。

今回、生化学会において研究成果を発表したことで、様々な研究分野の先生方から多数の質問や助言、ご指摘をいただくことができました。新たな視点から本研究の意義を再確認することができ、今後、取り組むべき課題を明確にすることができたと考えております。

最後になりますが、学会への参加に際し、多大なるご支援を賜りました佐藤製薬株式会社様に、この場をお借りして心から感謝申し上げます。

(薬学研究科 修士課程2年/村田 大典)

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International Human Microbiome Consortium 2022(2022年11月08日~10日)(兵庫県神戸市)

私は、日本は神戸で開催された International Human Microbiome Consortium 2022に参加し、"γδT17 cells in Peyer's patches acquire the encephalitogenic phenotype through the activation by commensals"というタイトルでポスター発表を行いました。

本学会は、腸内細菌学やヒト腸内細菌学に関する最先端の研究を行う研究者が集い、研究成果を共有・議論することを目的とした学術集会です。腸内細菌叢は、免疫系・神経系・代謝系など幅広い宿主の生理機能に影響を及ぼすため、幅広い分野の研究者が集いました。普段、免疫学の研究を行っている私にとっては、自身の知識が広がるだけでなく、他分野の研究者と議論を交わす良い機会となりました。

学会期間中には、Yale Universityで腸内細菌と免疫系の相互作用を研究している Noah Palmと個人的に議論を交わすことができました。自身の研究成果を共有し、更なる発展につながるようなアドバイスをいただくことができました。

本学会発表は、佐藤製薬株式会社様から研究奨励資金をいただき実現いたしました。この場を借りて御礼申し上げます。

(薬学研究科 後期博士課程1年/込山 星河)

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第51回日本免疫学会学術集会(2022年12月07日~09日)(熊本県熊本市)

私は、第51回日本免疫学会学術集会において、"Development of the tolerogenic nanoparticle to induce antigen-specific regulatory T cells"という演題にて、口頭発表を行いまいした。

現状のアレルギー疾患に対する治療法の多くは医薬品を用いた対症療法ですが、服薬を中断すれば症状は再燃します。アレルギー疾患根治のためにアレルゲン免疫療法がありますが、当療法に用いられる医薬品には、安全性や効率面においてまだまだ課題が残っています。

本研究は、食物抗原や腸内細菌等の様々な異物に常時曝されており、不要な免疫反応を起こして炎症を起こさないように免疫寛容性となっている腸管の環境を利用して免疫系の再教育を行い、アレルギー疾患を根治することを目的としています。そのために、九州大学の片山研究室と共同で研究し、樹状細胞への免疫寛容性リガンドであるmannanに抗原タンパクを架橋したナノ粒子の開発を行っています。本学会では、このナノ粒子の作用機序の概略や、それを実証するための実験結果、今後の課題を発表しました。

私が振り分けられたセクションは分子生物学の中でも基礎研究に近い発表内容が多く、質疑応答や他の先生方の発表を通して、自分に足りない発想や研究手法を学びましたので、さらなる研究の発展につなげたいと思います。最後に、佐藤製薬株式会社様からのご支援により、本学会で発表を行うことができました。この場をお借りして御礼申し上げます。

(薬学研究科 修士課程1年/鳥海 広暉)

The International Human Microbiome Consortium 9th Congress(2022年11月08日~10日)(兵庫県神戸市)

兵庫県神戸市で開催されました The International Human Microbiome Consortium 9th Congressに参加し、"Dietary factors facilitate the differentiation of follicular helper T cells in Peyer's patches"というタイトルでポスター発表を行いました。

濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞は、小腸の主要なリンパ組織であるパイエル板に多く存在し、胚中心反応を促進してIgA産生を促します。Tfh細胞の分化誘導には腸内細菌が必要である一方で、現在までにTfh細胞誘導細菌として知られているのはマウスの腸内細菌であるセグメント細菌のみであり、ヒトにも共通して存在するような因子は見つかっていません。我々はこれまでに、マウスにおいて食餌中に含まれる大豆粉がパイエル板Tfh細胞の分化誘導を行うことを発見しました。さらにこれが腸内細菌依存的であることを明らかにし、現在は大豆粉によるTfh細胞誘導効果をもたらす責任細菌の同定を進めています。

本学会では、腸内細菌や皮膚細菌に関わる研究を行っているという点を共通項として、免疫のみならず多様なバックグラウンドを持つ研究者と交流し、さまざまな視点からのアドバイスをいただき有意義な意見交換をすることができました。シンポジウムには豪華な演者が集まり、最新の研究内容を詳しく聞くことができ大変興味深かったです。この経験を活かして自身の研究にさらに邁進していきたいと思います。本学会発表は、研究奨励資金をご出資いただいた佐藤製薬株式会社様により実現いたしました。厚く御礼申し上げます。

(薬学研究科 博士課程3年/室井 きさら)

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17th International Conference on Bioactive Lipids(2022年10月28日~11月4日)(アメリカ・ニューオリンズ)

私はアメリカ・ニューオリンズで開催された17th International Conference on Bioactive Lipidsに参加し、「DHA-derived 19,20-EpDPE suppressed hepatic crown-like structure formation and the progression of liver fibrosis in mice」というタイトルでポスター発表を行いました。私の発表ではω3脂肪酸の一つDHAが非アルコール性脂肪肝炎(NASH)において内在的にどのような活性脂質代謝物へ変換され、どのような分子機構で病態進行抑制作用を発揮するかを発表しました。私の研究では活性脂質の生理機能に注目するだけでなく、それがどの細胞のどの酵素でどのタイミングで産生するかにも焦点を置いています。私は遺伝子改変マウスを用いてその細胞や酵素、受容体を欠損したマウスを用いた遺伝学的なアプローチによって上記の機構を解明したことを発表すると、発表時間終了後も1時間以上質問などをしてくれる方がおり白熱した議論が行われるとても良い雰囲気の学会でした。さらにそれらの質問や議論などから自分たちの研究のユニークなポイントや足りない部分がわかり、現在の自分たちの研究が世界的にどういった位置付けであるのかが理解することができました。さらに世界中の研究者と多様な会話をする機会が多く、将来的に留学をしようと考える上での興味深い知見を得ることができたのは大変助かりました。

本学会の参加・発表は、佐藤製薬株式会社様から研究奨励資金をいただいたことによって実現することが叶いました。この場をお借りして御礼を申し上げます。

(薬学研究科 博士課程4年/青木 秀憲)

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私は、アメリカ・ニューオーリンズで行われました17th International Conference on Bioactive Lipids in Cancer, Inflammation and Related Diseaseにて" Cyp4f18-deficient mice develop psoriasis-like dermatitis through dysregulated n-3 PUFA metabolism"という演題でポスター発表を行いました。本研究は、免疫細胞におけるω3脂肪酸代謝経路が皮膚の恒常性維持に重要であることを示したものです。

本学会は、世界中で生理活性脂質を研究対象としている研究者が集まり、最先端の脂質研究に触れることができる学会です。ノーベル賞受賞者をはじめとして、これまで脂質研究を牽引してきた著名な研究者の方々の講演を拝聴できただけでなく、今まさにこの業界を引っ張っている若手研究者の発表も数多く聴講することができ、多くの刺激を受けました。

ポスター発表では非常に多くの方が発表を見にきてくださりました。英語でのディスカッションでしたが、2回目の国際学会ということもあって臆せず活発に議論を交わすことができ、研究者間のネットワークを広げることができました。また、他の参加者のポスター発表やその後の交流を通して幅広く脂質研究に関する知見が深まり、大変有意義な時間となりました。本学会で得られた貴重な経験を、残りの大学院生活及び卒業後の研究活動に活かしていきたいと思います。

最後になりましたが、本学会発表では佐藤製薬株式会社様の多大なるご支援を賜りました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

(薬学研究科 後期博士課程3年/吉田 美桜)

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