慶應義塾

第15回助成

日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

私は、北海道大学にて開催された日本薬学会第143年会 (札幌) に参加し、「MPN原因遺伝子産物JAK2V617F変異体によるDDX5を介した発がん誘導」というテーマで口頭発表を行いました。

慢性骨髄増殖性腫瘍 (Myeloproliferative neoplasm : MPN) の原因遺伝子産物として、チロシンキナーゼJAK2の点変異体(V617F)が同定されています。私はこれまでに、JAK2V617F変異体が誘導する細胞の形質転換には、RNAヘリカーゼ DDX5の発現が必須であることを見出しており、本学会ではDDX5阻害剤であるFL118のMPN治療効果に関して発表しました。FL118は、低濃度でJAK2V617F変異体発現細胞におけるDDX5の発現を抑制し、さらにJAK2V617F変異体発現細胞のアポトーシスを誘導しました。また、ヌードマウスにおけるJAK2V617F変異体による腫瘍形成に対しても、FL118は高い抗腫瘍効果を示しました。以上より、FL118は、MPNの新たな治療薬となる可能性が示唆されました。

本学会において、他の研究者達とのディスカッションを通して、DDX5の発現制御の詳細なメカニズム解明、および既存薬と比べたFL118の治療効果や、副作用に関して、今後さらなる検討が必要であると考えられました。本学会に参加するにあたり、多大なるご支援を賜りました佐藤製薬株式会社様に深く感謝申し上げます。

(薬学研究科 博士課程1年/武田 健吾)

日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

北海道大学で開催された「日本薬学会第143年会(札幌)」に参加し、ポスター発表を行いました。

B型肝炎ウイルス(HBV)の肝細胞への侵入には、HBVのエンベロープ中に存在するタンパク質LHBsのPreS1ドメインと、肝細胞膜中に存在する胆汁酸トランスポーターNTCPの相互作用が必須で、両者の相互作用を阻害する化合物は新規B型肝炎治療薬の開発基盤となることが期待されます。PreS1に結合することでPreS1とNTCPの相互作用を阻害する化合物として、oolonghomobisflavan C(OHBFC)が知られています。OHBFCはepigallocatechin gallate(EGCG)を部分構造として有していますが、EGCGにHBV感染抑制能はなく、OHBFCのHBV感染抑制メカニズムは明らかとなっていません。本研究では、PreS1とOHBFC、EGCGの相互作用を等温滴定型カロリメトリー(ITC)や核磁気共鳴法(NMR)を用いて解析し、PreS1とOHBFCの相互作用メカニズムを解明することを目的としました。そして本学会では、OHBFCのPreS1に対する相互作用がEGCGよりも強いことを実験的に示すとともに、PreS1とOHBFCがそれぞれ複数の相互作用部位を有していることについて発表しました。

学会に参加したことで、本研究テーマに関連する重要かつ最新の知見を聴くことができ、自分の研究に対する考察をより深めることができました。そして発表当日では、終始多くの先生方に発表を聴いていただき、活発に議論を行うことができました。本学会に参加したことは、非常に貴重で刺激的な経験になりました。最後になりましたが、本学会発表におきましては、佐藤製薬株式会社様からご支援をいただきました。厚く御礼申し上げます。

(薬学研究科 博士課程4年/石場 智彬)

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第61回NMR討論会(2022年11月08日~10日)(高知県高知市)

私は高知県高知市で開催されました第61回NMR討論会に参加し、「14-3-3ζによる転写因子FOXO3aの阻害メカニズムの解明」という演題でポスター発表を行いました。

転写因子FOXO3aは、正常細胞ではがん抑制的に働きますが、がん細胞ではリン酸化された後、高発現するタンパク質14-3-3ζと結合して標的DNAから解離し、転写活性を失うため、これが持続的ながん細胞の増殖につながります。これまで、14-3-3ζがどのようにFOXO3aからDNAを解離させるのかは明らかにされていませんでした。そこで我々は、NMRを用いてリン酸化FOXO3a / 14-3-3ζ複合体形成時のリン酸化FOXO3a上、14-3-3ζ上それぞれの相互作用部位を推定し、本学会で14-3-3ζがリン酸化FOXO3aからDNAを競合的に解離させるモデルについて発表しました。発表においては、様々なNMRの研究者の方々とディスカッションを行う中で、新たな視点を得ることができました。また、自ら発表する以外にもポスター発表や口頭発表を聴講することで、最先端のNMR研究の知見を学ぶとともに、今後の研究に対する刺激を得ることができました。特に本学会は、長いコロナ禍で普段交流する機会のなかった同年代の方々と対面で意見を交わす場となり、本学会に参加できたことは、私にとって非常に貴重な経験となりました。

最後になりますが、本学会への参加は、佐藤製薬株式会社様からのご支援により実現いたしました。この場をお借り厚く御礼申し上げます。

(薬学研究科 修士課程2年/桑山 知也)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

私は2023年3月25日から3月28日に北海道大学にて開催された第143回日本薬学会年会に参加し、「近位尿細管有機アニオントランスポーターを介したメチルマロン酸の輸送の評価」というタイトルでポスター発表を行いました。

新生児マススクリーニングの対象疾患の1つであるメチルマロン酸血症は、新生児から乳幼児期に発症し、発症後診断例では国内最多の有機酸代謝異常症です。この疾患における腎障害は患者の予後に大きく影響する症状の1つですが、現在の医療ではその治療法は確立していません。本研究は、腎毒性の発生の原因となる可能性がある、近位尿細管上皮細胞へのメチルマロン酸の取り込みについて、関与する担体を検討したものであり、輸送機構の解明の足掛かりとなるデータを示すことができました。

本学会には、同じく薬物輸送に関する研究をされている方も多く参加されていたため、貴重なご意見を賜ることのできる有意義な時間となりました。さらに、異なる分野を専門とする学生や先生方ともディスカッションできる機会は、発表したデータや今後の研究の進め方に対する新たな視点を得ることができ、学びの多いものでした。

最後になりますが、本学会への参加は、佐藤製薬株式会社様からのご支援により実現いたしました。この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

(薬学部薬学科 6年/小林 咲央里)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

北海道大学で行われた「日本薬学会第 143 年会」に参加し、「Ultrafine bubble が Caco-2 細胞単層膜における薬物の受動拡散に及ぼす影響」という演題でポスター発表させていただきました。Ultrafine bubble (UFB) は直径 約 1 µm 以下の気泡であり、特徴的な性質から様々な分野で応用されていますが、医薬分野での使用は限られています。例えば、消化管内液に UFB が含まれていた場合、薬物の消化管吸収が変化するかについては検討されていません。そこで本研究では、ヒト大腸がん由来培養上皮細胞 (Caco-2 細胞) 単層膜を用いて、経細胞経路マーカーである propranolol および傍細胞経路マーカーである polyethylene glycol の膜透過性に対する UFB の影響を検討しました。

学会では、先生方から研究結果に関する貴重なご意見・ご質問をいただき、新たな視点から研究内容について多角的に考え、議論することができました。今回勉強させていただいたことは、今後の課題として更なる検討を重ねていきたいと考えています。また、様々な分野の研究発表を拝見し多くの知識を吸収できたことは、非常に貴重な経験となりました。

最後になりますが、本学会に参加するにあたり、多大なるご支援を賜りました佐藤製薬株式会社様に心より感謝申し上げます。

(薬学部薬学科 6年/古原 里奈)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

私は札幌で開催された日本薬学会 第143年会において、「ラット 肝、腎、小腸組織におけるトランスポーター絶対発現量解析とイリノテカン曝露の影響」という演題で口頭発表を行いました。

我々はモル質量に基づいたタンパク質の定量が可能な定量的標的プロテオミクス (QTAP) 法を用いて、これまでにほとんど明らかになっていなかったラット肝臓、腎臓、小腸組織における網羅的なトランスポータータンパク質発現量を評価するとともに、それらの発現量がイリノテカン投与によりどの程度変動するかを明らかにしました。ラットにおけるトランスポーターの網羅的発現分布を明らかにしたことは、医薬品開発時においてヒトにおけるトランスポーター基質薬の体内動態や相互作用を予測する上で重要な知見を提供すると考えています。またイリノテカン投与によるトランスポーター発現量の変動は、臨床上においてトランスポーター基質の動態変動に留意する必要がある可能性を示唆しています。

本発表における質疑応答の場面では、主にトランスポーター発現量変動のメカニズムについて、薬物動態分野でご活躍されている先生方と活発な議論をすることができました。先生方からいただいたご質問、ご意見をもとに自身の研究をさらに発展させていく所存です。

また、他の研究者の方々や先生方、同年代の発表者の発表や講演を聴き、最先端の研究に触れることで非常に刺激になりました。

最後になりますが、今回の学会参加にあたり多大なるご支援を賜りました佐藤製薬株式会社様に、この場を借りて深く御礼申し上げます。

(薬学研究科 修士課程2年/邉田 桃子)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

私は、日本薬学会第 143 年会にて、「ラットにおける axitinib の消化管吸収に対する curcumin の影響」という演題でポスター発表させていただきました。

チロシンキナーゼ阻害薬 axitinib は、国内外で広く使用されている腎細胞がん治療薬です。P 糖タンパク質 (P-gp) 及び breast cancer resistance protein (BCRP) の基質であることが示唆されており、また、ウコンに含まれる curcumin は P-gp 及び BCRP 阻害作用があります。本研究では、ラット ex vivo 反転腸管法および in vivo 試験により、axitinib の消化管吸収および全身動態に対する curcumin の影響を評価しました。CUR は ex vivo において、axitinib の消化管吸収を増大させることが示唆されましたが、in vivo においては、吸収量に対する影響は小さく、また、消化管吸収を遅延させるという結果を発表しました。本研究結果は、axitinib の相互作用を理解する上で重要なエビデンスとなると考えております。

本学会において、他の先生方などからご質問、ご意見をいただき、新たな視点で本研究を考察することができました。また、類似した研究や、分野の異なる研究をしている方の発表を拝聴することで新たな知見を得ることができ、大変貴重な経験となりました。今回得た経験を今後にも活かしていきたいと思います。

最後になりますが、この度本学会に参加するにあたり、佐藤製薬株式会社様にご支援賜りましたことを厚く御礼申し上げます。

(薬学部薬学科 6年/安永 真帆)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~27日)(北海道札幌市)

私は北海道で開催されました日本薬学会第143年会に参加し、「タリノロールの消化管吸収に対するクランベリージュースの影響」という演題でポスター発表を行いました。

クランベリージュース (CJ) は消化管に存在する取込みトランスポーターである organic anion transporting polypeptide (OATP) 1A2 および 2B1 を阻害することが明らかになっています。しかし、OATPs は分子種間で基質認識性が異なり、かつ、それぞれに複数の基質結合部位が存在することから、CJの影響は、基質によって異なる可能性があります。そこで本研究では、マウスを用いて、OATPs 基質であるβ遮断薬タリノロールの消化管吸収に対する CJ の影響を評価しました。

学会では、様々な分野の方々から多くの質問やコメントをいただき、意見交換を行うことができました。自身だけでは気づくことができなかった視点からの考察をお聞きすることができ、大変勉強になりました。また、多くのシンポジウムを聞く機会があり、研究内容のみならず相手に伝わりやすい発表方法も学べた良い機会となりました。本学会を通じて学んだ知識や経験を今後に生かしていけるよう精進していきたい所存です。

最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださった佐藤製薬株式会社様に厚く御礼申し上げます。

(薬学部薬学科 6年/吉田 奈央)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~27日)(北海道札幌市)

今回私は、日本薬学会第 143 年会にて、「クランベリージュース中のフラボノイド類による OATP1A2 および OATP2B1 阻害活性の解析」という演題でポスター発表をさせていただきました。

消化管に発現する OATP1A2 および OATP2B1 は薬物の吸収を担う取り込みトランスポーターです。これまでにクランベリージュースは、in vitro において、OATP の基質輸送を阻害することが明らかとなっており、その阻害成分としてフラボノイド配糖体である avicularin が同定されていま す。しかし、CJ 中の avicularin 含量では CJ の阻害活性を説明するには十分ではないことから、本研究では、クランベリー果実に含まれる他のフラボノイド類である quercetin、hyperoside、 isoquercetin、quercitrin、reynoutrin について OATPs 阻害活性を評価し、構造と阻害強度について定量的に評価しました。

当日は自分の発表に対して、想像以上に多くの方からコメントや質問、アドバイスをいただき、自分の考えを深めるとともに視野を広げることができました。内容の説明や質問に対する回答を思うように伝えることができないことも多々ありましたが、自身の改善点、反省点を見直す良い機会となりました。今回初めて学会に参加させていただいた自分にとって、全ての光景が新鮮であり、他の参加者 の発表から学ぶ点も多く、とても貴重な経験をすることができました。

最後になりますが、本学会に参加するにあたり、ご支援いただきました佐藤製薬株式会社様に厚く御礼申し上げます。

(薬学部薬学科 6年/山本 朱莉)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

私は、日本薬学会第 143 年会にて、病名抽出システムを用いて薬剤管理指導記録を分析した研究についてポスター発表いたしました。

近年、自然言語処理技術によって診療記録の文章から病名といった患者臨床情報を抽出できるようになってきましたが、これまでに開発されたシステムは概ね医師記録を対象としていました。このシステムで副作用情報が豊富に含まれる薬剤管理指導記録を分析できれば、シグナル検出や副作用の早期発見の実現が期待されます。

そこで、本研究では、医師記録を想定した病名抽出システムを薬剤管理指導記録に適用できるか検証しました。SOAP 形式で記載された薬剤管理指導記録にシステムを適用したところ、いずれの項目からも病名・症状の抽出は可能でした。特に A 情報に対しては医師記録と近い性能でシステムは動作しましたが、A 情報以外の項目での性能は十分でなく、薬剤管理指導記録をシステムに学習させてシステムの性能を向上させる必要があることが示唆されました。

医療分野での自然言語処理の研究が未だ発展途上にあり、数が限られている中で、今回の発表を通して、多くの薬学関係の先生方に研究内容を発信し、興味を持っていただくことが出来ました。また、多くのご意見やご質問も賜り、本研究の将来的な可能性についても深めることが出来ました。

最後に、学会発表に際しまして多大なるご支援を賜りました佐藤製薬株式会社様に厚く御礼申し上げます。

(薬学研究科 博士課程2年/大野 由紀子)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

日本薬学会第143年会に参加し、「LM1010高速液体クロマトグラフとLC-MS/MS法によるボリコナゾール濃度測定値の比較検討」という演題でポスター発表を行いました。

治療薬物モニタリングでは安全な薬物治療のために迅速な薬物血中濃度測定が望まれますが、測定を外部機関に依頼すると結果の入手までに数日かかる場合もあります。日立ハイテクサイエンス社が開発したLM1010高速液体クロマトグラフ(LM1010)は医療機関向けHPLC機器であり、簡便、迅速に多品目の薬物を測定できるという特徴を持ちますが、承認から日が浅く使用実績がまだ少ないです。

本研究ではLM1010の性能検証のために、VRCZを投与された患者の血液残余検体をLM1010を用いて測定し、外部機関でLC-MS/MS法によって測定された報告値と比較しました。その結果、両者の間には良好な直線関係が得られ、測定結果が同等であることがわかりました。この発表が、医療機関が薬物血中濃度測定機器を導入する際の参考となり、安全な薬物治療の一助になればと考えております。

私は今回が初めての学会参加でしたが、臨床で活躍されている医療従事者の方や医療機器メーカーの方々から意見をいただくことで自分の研究内容を別の視点から見ることができ、大変勉強になりました。また、他の発表者の方々の発表や講演を聞くことで、最新の知見に触れることができました。

最後になりますが、この度本学会に参加するにあたり、佐藤製薬株式会社様にご支援賜りましたことを厚く御礼申し上げます。

(薬学部薬学科 6年/木村 枝里香)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

北海道札幌市で開催された、「日本薬学会第143年会」に参加し、「転倒・転落と新規作用機序睡眠薬の関連性についてのシステマティックレビュー」という演題でポスター発表を行いました。高齢者の転倒は、寝たきりや要介護状態につながるため、医療安全管理上の予防が重要です。新規作用機序の不眠治療薬であるラメルテオンやスボレキサント、レンボレキサントは、筋弛緩作用が少なく転倒のリスクは少ないと考えられていますが、データが不十分であり現在のガイドラインでは推奨には至っていません。そこで、新規作用機序睡眠薬と転倒•転落の関連性を明らかにするため、システマティックレビューを行いました。

学会では、様々な分野の先生方から多くの質問やコメントをいただき、議論を交わすことができました。その中には、検索語や症例の抽出方法、他の研究との相関性など、新たな観点からの貴重なご意見をいただき、それらを今後の研究につなげていきたいと考えております。

また、初めて学会に参加し、ポスター発表を経験することで自身の研究を見直す良い機会となりました。他の研究者の発表を聴講することで、知識だけでなく、資料の作成の仕方やわかりやすい発表方法など多くのことを学ぶことができました。本学会を通じて得た経験を今後に活かしていけるよう、より精進したいと思います。最後になりましたが、学会に参加するにあたり、多大なるご支援を賜りました佐藤製薬株式会社様に心より感謝申し上げます。

(薬学部薬学科 6年/桑原 里佳)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

この度、北海道札幌市にて開催された日本薬学会第143年会にて「抗ヒスタミン薬の鎮静作用に関する系統的レビュー」という演題でポスター発表いたしました。

抗ヒスタミン薬(抗ヒ薬)は脳内ヒスタミンH1受容体占有率により鎮静性、軽度鎮静性、非鎮静性に分類されます。鎮静性抗ヒ薬は鎮静作用やその持ち越しが懸念されていますが、この分類に基づいて網羅的に行われた系統的レビュー、メタ解析は殆どありません。本研究では、鎮静性・軽度鎮静性抗ヒ薬と非鎮静性抗ヒ薬の鎮静作用を比較するため系統的レビューとメタ解析を行いました。結果、非鎮静性抗ヒ薬は鎮静性・軽度鎮静性抗ヒ薬に比べて眠気の発生リスクが低く、有効性は同程度であることが示されました。また、主観的な眠気の程度も非鎮静性抗ヒ薬でより低い可能性があると考えられることを発表しました。

本学会は薬学に携わる人々が広く集まる学会であり、ポスターセッションでは臨床や他の分野からの視点に基づいた多様なご意見を頂きディスカッションを行うことができました。また、基礎薬学を含め多彩な発表を聴講し、今後の研究にあたっての課題が明確になったほか、自身が目指す薬剤師像をより深く考えることもできました。今回得た知見を基に、さらに本研究を発展させていく所存です。学会発表に際し、多大なるご支援を賜りました佐藤製薬株式会社様に厚く御礼申し上げます。

(薬学研究科 博士課程1年/鈴川 真由)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

この度、北海道札幌市で開催された日本薬学会第143年会において、「入院患者の転倒・転落のリスクに対する各種睡眠薬・抗不安薬の比較」というタイトルでポスター発表を行いました。

転倒・転落は主要な院内医療事故の一つであり、介護が必要になった主な要因として、要支援者・要介護者ともに骨折・転倒が第三位であるという報告があります。また、転倒を誘発する薬剤として、睡眠薬、抗不安薬などが代表的ですが、それらの薬剤の転倒リスクを比較した報告は多くありません。そこで、本研究では、入院患者を対象に各種睡眠薬・抗不安薬と転倒との関連を調査し、転倒リスクの違いを明らかにしました。

ポスター発表の際には、多くの先生方にご意見やご質問を頂きました。本研究と似たテーマの研究をされている先生と意見交換ができたのは、私にとって貴重な経験となりました。先生方とのディスカッションを通して、新たな知識を得られただけでなく、今後本研究の内容をさらに深めていくにあたってどのようなアプローチができるのかを学ぶことができました。

初めて学会に参加しましたが、発表の仕方などを学ぶことができ、非常に良い経験となりました。この経験を、今後社会人になってから学会発表をする際に役立てていきたいと考えています。

最後になりますが、この度は本学会に参加するにあたり御支援を賜りました佐藤製薬株式会社様に心よりお礼申し上げます。

(薬学部薬学科 6年/髙野 有紀)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

この度、北海道札幌市で行われました日本薬学会第143年会に参加し、「服薬指導記録から症状に関する患者表現を抽出するAIシステムの構築に関する予備的検討」についてポスター発表を行いました。

本研究では、服薬指導記録の患者の発話に関する記録(SOAP形式ではS情報)から症状の抽出が可能なシステムを構築し、病名抽出のための既存の日本語病名抽出システムMedNER-Jとの性能を比較しました。各システムの違いとしては、教師データ(AIが学習するための正解データ)におけるS情報の有無であり、S情報を含まないMedNER-Jは症状の抽出への汎用性が低かった一方、S情報を含んだ本研究で作成したシステムでは、相対的にその性能に向上が見られました。この結果から対象データを用いた学習が有用であることが示唆されました。

発表時には、さまざまな先生方によりご意見を頂戴し、議論を交わすことができました。またS情報の質の担保についてやデータを抽出する際のバイアスについてなど、これまでとは異なる観点からのご意見も頂戴し、今後研究をさらに進めていくにあたりぜひ参考にさせていただきたいと思いました。

最後になりますが、本学会に参加するにあたり、多大なるご支援を賜りました佐藤製薬株式会社様に心より感謝申し上げます。

(薬学部薬学科 6年/藤木 玲奈)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

この度は、佐藤製薬株式会社Research Encouragement Awardにご採用いただきまして、心より感謝申し上げます。研究奨励資金は2023年3月25~28日開催の日本薬学会第143年会の参加費用に全額充当させていただきました。

私は「ASEAN各国における医薬品安全性監視制度の実態調査」という題目で英語による口頭発表を行いました。そもそも初めての経験である口頭演題を英語で発表することは私にとって大きな挑戦でした。また、当日使用する資料の作成や発表練習を進めるなかでも日々自身の英語力の不足を痛感し、発表直前まで不安を感じていました。本番では練習通りに説明を終えることができ、質疑応答ではアジア圏から参加されていた方からご質問をいただけたことで、かねてから目標にしていた英語による研究のディスカッションを実現することができました。反面、新たな課題も見つかりました。それは、英語の聞き取りができなかったがために頂いた一部の質問の意図を理解できず、適切な回答ができなかったことです。今回の学会参加を通じて自身の英語力に一定の成長を確認できたことから、これまでの自らの頑張りを認めつつ今後は本発表で至らなかった点を真摯に受け入れ、さらなる成長に向け努力していく決意を新たにしました。将来は、海外担当者とアカデミックな内容やビジネスに関するディスカッションを気後れすることなく英語でできるよう、論理性と英語力の双方を向上さていきたいです。このように、今後の糧となる大切な気付きを得られたのも佐藤製薬株式会社の皆様よりご支援いただけた賜物と存じております。

最後になりますが、この場をお借りして佐藤製薬株式会社の皆様のご厚情に深い感謝と共に御礼を申し上げます。

(薬学部薬学科 6年/杉田 千晶)

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第14回日本臨床試験学会学術集会総会 in 金沢(2023年2月9日~10日)(石川県金沢市)

この度は佐藤製薬株式会社Research Encouragement Awardに採択していただきまして、心より感謝申し上げます。研究奨励資金は第14回日本臨床試験学会学術集会総会 in 金沢の参加費用に全額充当させていただきました。

私は自身の研究テーマである「SGLT2阻害剤の重要な潜在的リスクに関する評価」のポスター発表の演者として学会に参加させて頂きました。DeSCヘルスケア株式会社が所有する大規模レセプト特定健診データベースを用い、比較対照群を設定し相対リスクの評価を行うことで、SGLT2阻害剤と重要な潜在的リスクの関連について明らかにしました。

自分の成果を他者に伝える非常に大切な機会となりました。質問者とのディスカッションでは自身の考えをより深めることができ、新たな気付きを得ることもできました。

そして自分が発表するだけでなく、2日間にわたり臨床試験の現状についてのシンポジウムを拝聴できる貴重な経験を得ることができました。製薬企業や大学の方々などバックグラウンドの異なる研究者との交流の場は刺激的であり、プレゼンテーションの仕方など学ぶことばかりでした。今回の学会で吸収した知識を今後に活かしていけるよう、より精進したいと思います。

最後になりますが、この度、学会参加に係る経費を補助いただきました佐藤製薬株式会社様に心より御礼申し上げます。

(薬学研究科 修士課程2年/前川 拓也)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

私は北海道札幌市で行われた日本薬学会第143年会に参加し、「乳がん細胞に対するドキソルビシン担持一酸化炭素結合型ヘモグロビン-アルブミンクラスターの有用性評価」という演題で口頭発表しました。

ドキソルビシンは乳がんをはじめとする多種多様ながんに抗腫瘍効果を示すことから、今日のがん薬物治療において汎用されている抗がん剤です。しかし副作用として蓄積性かつ用量依存的な心毒性があり、総投与量の制限やがん治療後のQOLの低下が懸念されています。そこで本学会では、これまでに私が設計・創製してきた新規ドキソルビシン製剤であるドキソルビシン担持一酸化炭素結合型ヘモグロビン-アルブミンクラスターが乳がん細胞に対して有効であること、また、心毒性の誘発を軽減することを発表しました。

質疑応答では、製剤設計や一酸化炭素の作用点、安全性に関するご質問を頂き、今後、創薬研究を進めていくうえで考慮すべき視点や課題を再確認することができました。また、相手の質問に対して的確に把握し回答することの難しさや、付随した基礎情報も提供することで質問者に発表内容をより深く理解してもらう上で重要であると感じ、プレゼンテーション力を向上するために精進する必要があると実感しました。さらに多岐にわたる分野の発表や同世代の学生による発表を聴講し、最新の知見を収集できたと同時に良い刺激を受ける貴重な機会となりました。本学会で得られた知識や経験をもとに、今後の研究に真摯に取り組む所存です。

末筆ではございますが、本学会発表は佐藤製薬株式会社様からの多大なるご支援を賜り、実現することができました。心より御礼申し上げます。

(薬学研究科 博士課程2年/伊藤 千尋)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

日本薬学会第143年会にて、骨格筋萎縮による敗血症および免疫病態について口頭発表を行いました。

骨格筋が萎縮した状態は、感染症や敗血症に罹患しやすく、また、罹患した際の死亡リスクは約2倍に上昇するとわかっています。しかしながら、現時点では、骨格筋萎縮と敗血症予後の因果関係を実験的に示した報告はなく、そのため、骨格筋の萎縮がどのように敗血症の予後を増悪させるのかわかっていません。本学会の口頭発表では、マウスを用いたin vivo実験を用い、骨格筋萎縮と敗血症予後の因果関係を実験的に証明し、骨格筋萎縮下では特に敗血症病態の遷延や重症化が問題となり、それに過度な獲得免疫系の抑制状態が関与している可能性を見出したことを発表しました。本発表内容は、骨格筋萎縮下における敗血症増悪機序の解明や治療戦略の構築に寄与する重要な知見であり、本学会において意見交換や質疑応答、他の研究発表を見聞きしたことで、自身の研究をより発展していくための発想を得ることができたと思っております。

この度は、本学会に参加するにあたってご支援を賜りました、佐藤製薬株式会社様に心より御礼申し上げます。

(薬学研究科 博士課程4年/長 邑花)

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日本薬学会第143年会(2023年03月25日~28日)(北海道札幌市)

この度、北海道大学で開催された日本薬学会第 143 年会におきまして「慢性腎臓病モデルマウスを用いた遠隔臓器線維化誘導モデルの検討」という演題で口頭発表を致しました。

慢性腎臓病 (CKD) は多くの合併症が問題となる疾患であり、腎臓以外の臓器においても線維化が進行しますが、その詳細について検証した報告は少ないです。そこで本研究では、CKDモデルとして6分の5腎摘 (5/6Nx) モデル、片側尿管結紮 (UUO) モデル及び右腎の3分の2の摘出と左腎の尿管の結紮を組み合わせた (2/3Nx+UUO) モデルの3つを作成し、腎臓、心臓、肝臓および肺の線維化に関して組織学的、生物学的に評価しました。その結果、2/3Nx+UUOモデルにおいて、肝臓および心臓において線維化の誘導が認められました。従って、2/3Nx+UUOモデルは、既存のCKDモデル (5/6 NxまたはUUO) に比べ、早期より他臓器の線維化を誘導可能なCKDモデルとなる可能性を明らかにしました。本学会では、専門家からの様々な視点に基づいた意見を頂き、自身の研究を見つめなおす貴重な機会になりました。また、医療従事者から研究者に渡る幅広い分野の先生方の発表を聴講する機会に恵まれ、大変刺激になりました。

末筆ではございますが、この度は佐藤製薬株式会社様から多大なるご支援を賜りましたことを厚く御礼申し上げます。

(薬学研究科 博士課程2年/本間 杏花)

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日本薬学会第143年会(2023年03月26日~28日)(北海道札幌市)

私は北海道・札幌市の北海道大学で行われた日本薬学会第 143 年会に参加し、題目「非小細胞肺がん患者におけるアファチニブの有害事象と薬物動態及び遺伝子多型との関連性」でポスター発表を行いました。

EGFR チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)であるアファチニブは非小細胞肺がん治療に用いられる一方で下痢及び皮膚障害等の有害事象が問題となっています。アファチニブの血中濃度及び遺伝子多型が有害事象コントロールの指標として期待されております。本報告ではアファチニブ服用中の非小細胞肺がん患者に対して有害事象の聞き取り、アファチニブの血中濃度測定及び遺伝子多型解析を行い、有害事象と血清中濃度及び遺伝子多型解析との関連性を検討しました。その結果、既報と同様に重度の有害事象が高いトラフ値・AUC と関係している傾向にありました。また、アファチニブや他EGFR-TKI で有害事象や薬物動態に関連が報告されている ABCG2 遺伝子多型及び EGFR 遺伝子多型と有害事象との関係性が確認されました。

質疑対応の時間では多くの方に興味を持って頂き、有意義な議論を交わすことが出来ました。その中で、アファチニブの EGFR に対する結合様式や受容体占有率に着目し、有害事象発生及び薬物動態との関連について議論したことは本報告の更なる考察、また今後の研究において重要な視点を得ることが出来ました。

この度は、佐藤製薬株式会社様のご支援により貴重な経験を得ることが出来ました。最後になりますが、この場をお借りして御礼申し上げます。

(薬学部薬学科 6年/千島 陽奈)

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