慶應義塾

第2回助成

第60回 American Society of Hematology Annual Meeting(ASH年次集会)(2018年11月30日~12月5日)(アメリカ合衆国、カルフォルニア州、サンディエゴ市)

造血器腫瘍の中でも白血病やリンパ腫などでは、薬物治療による治療が可能となってきましたが、一方で、多発性骨髄腫(MM)は未だ根治困難な難治性疾患であります。近年、Lenalidomide(Len)などの新規治療薬の登場により、MMの予後は著しく改善しています。しかし、Lenの適応拡大に伴いLen抵抗性患者が増加し、治療の障壁となっています。その解決を目指して、私はLen耐性機構の解明と克服薬の開発についての研究を展開し、今回の発表に至りました。

まず、Len耐性MM細胞を3種樹立し、細胞株ごとにLen耐性機構が異なることを見出しました。具体的には、CRBNの発現減少やIKZF1の発現上昇が耐性の原因であることを発見しました。また、新規化合物TC11は、これらのLen耐性株に対しても細胞死を誘導したことから、Len耐性を克服する候補化合物として期待されます。

私の発表に対して、多くの研究者から質問・コメントをいただきました。例えば、「どうして耐性株ごとに耐性機構が違うのか?」といった想定外の質問や「TC11の臨床試験の際には薬物動態に注意が必要だ。」といった治験を意識したコメントもありました。ASHのような大きな国際学会への参加は、私が今後、企業の臨床開発職として働いていく上で極めて重要な経験であったと思います。

このような貴重な機会をお与えくださいました佐藤製薬株式会社様には、心よりお礼申し上げます。

(大学院薬学研究科 修士課程2年/宇於崎 涼)

佐藤製薬株式会社研究奨励資金 過去の活動報告一覧

全3枚中1枚目を表示中

佐藤製薬株式会社研究奨励資金 過去の活動報告一覧

全3枚中1枚目を表示中