執筆者プロフィール
時任 結香
薬学部時任 結香
薬学部
この6日間の研修を通して、タイの医療制度、文化、そして人々の温かさについて多くのことを学びました。特に印象に残ったのは、タイにおける依存症治療への取り組みと、伝統医療を大切にする姿勢です。
まず、大学での講義やアクティビティを通して、タイの伝統医療について学ぶ機会がありました。研修初日には、タイ式マッサージで用いられる「Ya Pra Kob」というハーブボールを実際に作る体験をしました。ここでは生薬を布で包み、温めて使用するという伝統的な方法を学びました。さらに研修後半には、その生薬成分を抽出したジェルを作る体験も行いました。これらの経験から、タイでは伝統医学が単なる文化として残っているのではなく、現代の生活にあわせて発展していることを実感しました。新しい医療や技術が次々に生まれる現代においても、伝統を大切にし続けている国民性を強く感じました。
また、いくつかの医療機関や施設を訪問したなかで、依存症治療を専門とするThanyarak khonkaen hospitalへの訪問は非常に印象深いものでした。病院は中心地から少し離れた自然豊かな場所にあり、患者さんが落ち着いて治療に専念できる環境が整えられていました。実際に入院病棟を見学するという、日本ではなかなか経験できない貴重な体験をさせていただき、依存症治療に対するタイの真摯な取り組みを学ぶことができました。
プログラム全体を通して最も心に残ったのは、タイの方々の温かさと誠実さです。KKUの先生方には多くの施設へ案内していただき、訪問先の医師や薬剤師の方々は分かりやすい資料を準備してくださいました。特にThanyarak khonkaen hospitalでは資料に日本語訳を付けてくださり、KKU病院では日本語を学んでいる学生によって、英語と日本語の両方で説明していただきました。さらに、ほとんどの施設で軽食や体験活動が用意されており、心から歓迎してくださっていることを実感しました。KKUの学生たちも、到着初日から温かく迎えてくれ、夜市やレストランへ案内してくれただけでなく、薬局見学ではタイ語から英語への通訳も務めてくれました。試験前の忙しい時期にもかかわらず、フェアウェルパーティーでは伝統音楽を演奏してくれるなど、音楽を通してさらに親睦を深めることができました。何事にも積極的に取り組み、交流を心から楽しんでいる姿勢には大きな刺激を受けました。
最後に、講義の中には、予備知識がなく理解が難しい内容もあり、質問しながら参加することに苦労する場面もありました。しかし、「学びたい」「新しいことに挑戦したい」という気持ちを行動に移すことで、自分自身の成長を実感することができました。この研修は、医療制度や専門知識を学ぶだけでなく、異文化理解と人としての成長につながる、有意義な研修だったと感じています。ご引率いただいた先生方、そして温かく迎えてくださったタイの皆様に、心より感謝申し上げます。