執筆者プロフィール
武田 彩海
薬学部武田 彩海
薬学部
私は、アメリカのノースカロライナ大学で4週間の海外アドバンスト実習に参加しました。私は、大学卒業後は博士課程に進学し、臨床の現場における患者さんの治療の選択肢を広げる一助となりたいと考えております。その実現のためにも日本のみならず、海外において臨床の現場ではどのような医薬品が必要とされているのか、という点を重視し、海外の臨床現場の実情や医療システムを学ぶために留学に臨みました。
実習を通して、実務実習で経験した日本の医療についてとアメリカの医療制度や患者さんが抱える問題等の違いに驚く日々でした。最も驚いたことは社会保険システムの違いです。留学前でも、アメリカの医療システムは非常に複雑であることや医療費が非常に高いことなどは知識としてありました。しかし、実際にその複雑さゆえに様々な背景から医療保険に加入できず、受けるべき治療を受けられない患者さんがいらっしゃる、という問題やこのような問題に対してどのような支援制度が存在するのかという点に関しては海外の医療現場で実習をすることで実際に目にし、初めて深く理解することができました。
このような臨床現場における多くの違いから、現地の薬学部の学生が大学でどのようなことを学んでいるのかという点に関しても興味が沸きました。今回のノースカロライナ大学での留学プログラムは1週目から4週目までの4週間は全て病院実習を行うというプログラムでしたが、今回の海外アドバンスト実習を通してできた現地の友達に、授業に出たいという旨を相談したところ、友達がたくさん取り計らってくれ、病院実習に影響が出ない時間帯の授業に参加することができました。授業ではアメリカの社会保険制度に関して学び、アメリカの医療制度の実態や問題点、それを克服するためにアメリカがどのような地域医療や医療制度を目指しているのかを学ぶことができました。
また一方で、アメリカの薬剤師の職務は日本と比較し非常に先進的であるという考えも、留学前はありました。しかし、実際は必ずしもそのようではなく、上記のような社会医療制度の違いによって生じる職務内容の違い以外は私たちが実務実習で経験した職務と同様のものが多いと感じました。現地の薬剤師の方々から「日本の方がきっと医療や医療機器は発展してると思うけど、」という言葉も何度か耳にしました。このように、私が勝手に抱いていたアメリカの医療という想像をいい意味で打ち砕くことができたことも非常に良い経験だと思います。
1ヶ月間は長いようで非常にあっという間の期間でした。海外の病院での実習はその国の医療や制度を学ぶことができるとともに、その国の文化を理解するということに繋がります。このことは机上の知識のみでは決して得ることができない学びです。海外アドバンスト実習は非常に得難い機会だと思いますので、現地で学びたいことは積極的に挑戦してみてください。先生方もそのようなことは快く受け入れてくださいます。また、現地で出会った友達との交流もかけがえのない思い出です。ぜひ、海外アドバンスト実習に参加し、様々な知見を広げていただければと思います。