執筆者プロフィール
冨沢 佳弘
薬学部冨沢 佳弘
薬学部
本記事をご覧になっている皆様、はじめまして。2019年度の海外アトバンスト実習で、米国アイオワ大学へ留学しました冨沢佳弘と申します。私が本プログラムを修了して感じた、本プログラムの特徴や学んだことなどについてお話しいたします。
海外アトバンスト実習の特徴は、ウェブサイト等で紹介されている通り、見学型ではなく参加・体験型の実習であるという点です。実習先の病院では、実際に現地の薬学生と共に医療チームの中に入り、カルテからの情報収集、患者さん・薬剤師等の医療従事者とのコミュニケーションなどを行います。現地の学生や医療従事者と共に行う臨床実習は、非常に刺激的で、勉強になりました。また、プログラムの中では、実習先に渡航する前に、現地のプリセプターを日本に招き、数週間程度の講義を共にする機会もあります。そこでは、海外のガイドラインや医療制度などを事前に学ぶ事ができ、これからお世話になるプリセプターと事前にコミュニケーションすることができたため、海外経験がない自分にとって大きなプラスでした。
海外アトバンスト実習で学んだことは多々ありますが、その中でも特に大きな学びは、国際的な視野を持てた点です。皆様もご存知の通り、日本とアメリカの医療システムはいくつかの点で差異(例えば、Pharmacy TechnicianやPhysician Assistantといった日本にない医療専門職の存在、薬剤師によるワクチン接種など)があります。それらがどのような背景で違っており、結果として患者・患者家族、医療従事者といったステークホルダーにどのような影響を及ぼすのか、理想的な医療提供を実現するためには、日本はどの点を学ぶ事ができるのか、といった点に対して、他国の現状や考え方を知ることにより、自分の視野が拓けた実感があります。製薬業界やヘルスケア業界は、決して日本国内に完結するものではないため、こういった国際的な視野は、仕事をしていく中で特に役に立っています。
最後に、本プログラムに興味を持っている方、応募を迷っている方へメッセージです。本プログラムは全国の薬学部の中でも先端的なプログラムの1つだと思いますし、ここでの約1ヶ月間の経験はかけがいのないものになります。しかし、多くの日本人が「留学」と聞いたときに最初に懸念するのが言語上の問題かと思います(私もそうでした)。特に、医療現場では、対医療従事者向けの専門的なコミュニケーションと対患者向けのカジュアルなコミュニケーションがあり、日本語でも自信のないものを英語でできるのか、と身構えてしまう方も多いと思います。実は海外の臨床実習において、薬学生は既にメリットがあるのをご存知でしょうか。それは、医薬品名(一般名)は世界共通という点です。日本語でも英語でも、高血圧治療薬であるアムロジピンはAmlodipineですし、脂質異常症治療薬のロスバスタチンはRosuvastatinです。もちろん一部例外はありますが、私が滞在先の病院のカルテで見た医薬品はほぼ日本と同じ名前でした。これは医薬品名の知識が豊富な薬学生の特権で、言語上の問題はほぼ解決かと思います。
慶應義塾では、国際担当の教職員の方や海外アトバンスト実習に参加した先輩など、多数の方が皆様をサポートしてくれます。是非とも、参加を検討する中で、様々な方から情報収集し、納得のいく選択をしていただければと思います。私も、一人の塾員として応援しています。