慶應義塾

市民社会ガバナンス教育研究センター

公開日:2025.06.30
KGRI

センター長 : 河野 武司(法学部教授)

活動拠点キャンパス : 三田

センター概要

本拠点では、民主主義的な政治制度を有しながら自分達の民主主義に対して十分に満足することができない先進国の市民社会の現状を「市民社会のガバナンス」をキー・コンセプトに実証的に分析する。そして、どのような要因によって、そうした問題が生じるのか、あるいはどのようにしたらより良い民主主義を市民が実感することができるのかを海外の主要な教育研究拠点と連携しながら分析することで、国際的レベルで競争する若手研究者を教育・育成することを目的とする。特に、本拠点の基盤となるのは、21世紀COE「多文化多世代交差世界の政治社会秩序形成--多文化世界における市民意識の動態--」プログラム(21COE-CCC)で推進してきた多言語データ・アーカイヴや諸外国における市民意識調査に基づく成果に立脚しながら、分析対象を先進国(とりわけ、日本、韓国、米国)の市民社会に絞り、従来の政治学や社会学における

(1)「市民の意識形成や変容の解明」に留まらず、国と地方レベルにおける政策エリートから市民に対して提示される

(2)「政策公約の内容分析」や市民によって選出された政策エリートによる

(3)「国会や地方議会における議事録の収集と内容分析」

を行うことで、市民の民意がどのような経路を経て政策として形成され、それが市民にフィードバックされてどのような意識形成に至るのかについての有機的メカニズムを明らかにする点で、個々の分析に留まっていた従来の研究とは一線を画すものである。

キーワード・主な研究テーマ

政治理論 日本政治分析 行政学・地方自治 コミュニケーション・情報・メディア 政治過程論

2012年度事業計画

■前年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標

【研究】

昨年度、設置した日本研究クラスター、韓国研究クラスター、米国研究クラスターは今年度、大きな成果を挙げることができた。最終年度となる来年度、この体制を継続し、分析結果をまとめていく。

【教育】

COE特化型科目の設置、海外セミナーの開催、若手研究者による海外学会報告や海外調査の支援などの教育活動は、1年間で終わるべきものではなく、継続によってこそ成果が表れるものである。したがって、新年度もこれらの教育活動を継続する。

■2012年度の新規活動目標と内容、実施の背景

【研究】

  • 最終年度に当たり、日本研究クラスター、韓国研究クラスター、米国研究クラスターはこれまでの分析結果をまとめ、成果を公表する。

  • ガバナンス・データアーカイブはデータの充実に努め、これを公開する。

【教育】

新年度も教育活動の充実に努める。

2011年度事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

【研究】

2011年度事業計画に基づき、以下の研究活動を実施した。

  • 日本研究クラスター、韓国研究クラスター、米国研究クラスターは、3カ国の選挙公約、議事録、議会内投票の内容分析や市民意識調査の分析を行い、比較研究を推進している。

  • ガバナンス・データアーカイブは、引き続き、システムの開発とデータの更新を続けている。

  • ガバナンス理論構築ユニット、市民社会分析ユニット、政策形成分析ユニットは随時、カンファレンスを開催した。

  • 2012年2月の国際シンポジウムの開催や Journal of Political Science and Sociology の刊行を通して研究成果を公表した。

【教育】

2011年度事業計画に基づき、以下の教育活動を実施した。

  • 「市民政治論」「アカデミック・ライティング」「アカデミック・プレゼンテーション」などのCOE特化型科目を設置した。

  • 2010年度秋学期と2011年度春学期に韓国の東義大学校から金順殷教授を招聘して大学院講義「Q Methodology」と「Theories and Models of Local Autonomy」を開講した。

  • 2012年3月にドイツのコンスタンツ大学で海外セミナーを実施する予定。

  • 若手研究者海外学会報告奨励や若手研究者海外調査研究支援などを実施した。

■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)

  • 公刊書籍数は6件(英語1、日本語5)、公刊論文数(書籍所収論文を含む、学術論文のみ)は78件(事業推進担当者56、特任助教・研究員10、RA10、日本学術振興会特別研究員2)であった。『年報政治学』、『政治思想研究』、『マス・コミュニケーション研究』、『公共選択の研究』、『日本EU学会年報』、Comparative Lawなどで公刊された。

  • 学会発表件数は93件(事業推進担当者43、特任助教・研究員7、RA39、日本学術振興会特別研究員4)であり、その中で海外では27件(事業推進担当者18、特任助教・研究員2、RA5、日本学術振興会特別研究員2)であった。日本政治学会、日本社会学会、日本国際政治学会、日本行政学会、公共選択学会、日本EU学会、日本社会心理学会など、国内の主要な学会とともに、American Political Science Association、Midwest Political Science Association、ISA (International Sociological Association) RC06 (Research Committee 06) - CFR (Committee on Family Research)など、国際的に重要な学会でなされた。

  • 社会貢献の実績は28件(事業推進担当者25、RA3)であり、具体的には公正取引委員会、科学技術振興機構、杉並区交流協会、神奈川県人権教育推進協議会、香川県国際交流協会などで講演がなされた。

■センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄

【研究】

日本研究クラスター、韓国研究クラスター、米国研究クラスターは、以前から着手している選挙公約と議事録の内容分析を続けるとともに、議員の議会内投票の内容分析を行った。比較を可能にするために内容分析の枠組みを基本的に同じものとしている。市民の意識調査と合わせて、このように大きな規模で包括的に分析を行う試みは、寡聞ながら前例がなく、本拠点の研究の特徴となっている。

【教育】

前述したように、大学院生による論文の公刊や学会における報告、とりわけ英語によるものも着実に行われている。

所員

項目1

項目2

項目3

名取良太

先導研究センター

特任教授(有期)(研究/教育)(非常勤)

秋元健太

先導研究センター

共同研究員

田中俊郎

先導研究センター

共同研究員

松本淳

先導研究センター

共同研究員

プロジェクトメンバー

研究代表者

河野武司

教授法学部 政治学科

明石欽司

教授法学部 法律学科

麻生良文

教授法学部 政治学科