慶應義塾

統合数理科学研究センター

公開日:2025.06.30
KGRI

センター長 : 栗原 将人(理工学部教授)

活動拠点キャンパス : 矢上

センター概要

高度かつ複雑に発展した現代社会においては、様々な問題の解決に数学・数理科学が担うべき役割が増加してきている。数学・数理科学固有の重要問題の解決、およびそこで開発された数学理論や数学手法は、その汎用性から数学・数理科学と他研究分野との連携に大きく役立つことが期待されている。統合数理科学研究センターは、この立場から、慶應義塾内における、数学・数理科学研究者が結集することで、数学・数理科学の研究の推進を行うとともに、数学理論や数学手法を広く社会に提供し、様々な研究分野との横断研究を行うことを目的とする。

キーワード・主な研究テーマ

数学、数理科学、統合的学際的数理科学

2017年度 事業計画

■前年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標

今までこのセンターの事業として成功してきた、学内での共同研究、若手研究者支援、国際共同研究、さまざまな異分野の連携をこれからも積極的に進めていきたいと考えている。また昨年度に引き続き、若手研究者派遣を積極的に進めて行く。慶應義塾内に数理科学の基盤拠点を作ることは、塾内外に大きなメリットをもたらすものであることは間違いない。その意味で、このセンターを継続していきたい。

■2017年度の新規活動目標と内容、実施の背景

慶應義塾内の数理科学研究の発展を目標として、学内での共同研究、若手研究者支援、国際共同研究、さまざまな異分野の連携を推進していきたい。国際研究集会に教員や学生をこれからも数多く派遣して、大学院生や若手の教員に対して、国際的に活躍する場を数多く提供していきたい。海外および国内の著名研究者を招いた統合数理科学研究センター主催の談話会、セミナーも積極的、定期的に行うことにより、慶應義塾内の数理科学研究者達、若手研究者達、大学院生達が気軽に集まれる場所を提供するとともに、数理科学とその周辺分野のさらなる活性化、発展をめざす。談話会については、今まで通り、それぞれの所員の専門分野以外の研究についても、新しい知見や新しい興味が得られるような講演を定期的に行う。新しい共同研究や連携を推進し、活発で機能的な活動を行う。今まで通り、海外からの研究者も当センターに積極的に受け入れる予定である。以上のような活動の継続によって、慶應義塾の数理科学研究をさらに発展させたいと考えている。

2017年度 事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

2017年度も前年度に引き続き、

1)先端数理科学研究の推進

2)数理科学国際連携

3)他分野との融合研究

を重点事業計画として活動を行った。基盤的数学である代数学、幾何学、解析学という純粋数学と、応用面を重視した統計学、離散数学、数値解析などの数学研究を2つの柱として研究を進め、それぞれの研究と同時に相互の融合による研究を推進している。今年度もおよそ4000万円の科学研究費および拠点形成資金を用いて活動を行った。特に、統合数理科学研究センターの活動として採択された学術振興会拠点形成事業「数論と幾何学を核とする数理科学国際連携拠点形成事業」によって、今年度も数多くの国際連携事業が行われた。例年行われているBoston-Keio summer workshopは2017年6月に幾何学をテーマとして開催し、数多くの学生を派遣したので、このセンターはその準備にかかわった。Boston大学を中心としてアメリカ側からも多くの参加者があり、日本から参加した学生・若手研究者にとって大変貴重な経験となった。また、国際研究集会 Iwasawa 2017 を東京大学で行い、その準備に多大の労力をかけた。この研究集会は、海外からの招聘者だけでも40名を超える大規模研究集会であり、全体で16ヵ国から236名が集まった(海外から98名が参加)。また、数理科学分野の談話会により、センター員の間の情報交換、議論の促進に努めたことは例年の通りである。

■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)

  • 著書 : 1件 機械学習 ─データを読み解くアルゴリズムの技法─, 小林景(担当:1章),林賢一(担当:7章), 朝倉書店, 2017/4/10

  • 論文 : 14件 On Iwasawa theory, zeta elements for G_m, and the equivariant Tamagawa number conjecture, Masato Kurihara, Algebra and Number Theory 11/7 (2017),1527-1571. Recurrence and transience properties of multi-dimensional diffusion processes in selfsimilar and semi-selfsimilar random environments, Yozo Tamura, Electronic Communications in Probability 22 (2017), 1-11. ほか12件

  • 学会発表 : 2件 Lyapunov optimizing measures of non-generic one-dimensional expanding Markov maps,Hiroki Takahashi, Kyoto Dynamics Days: Random dynamical systems theory and its applications, 2017/04/25 Trading Networks with Bilateral Contracts, Akihisa Tamura, MATCH-UP 2-17, 2017/04/21

■センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄

例年のことであるが、本研究センター所属所員により、整数論、数論幾何、力学系、複素変形量子化問題、剛性問題、曲面上のグラフ理論、最適化問題、流体の非線形解析、確率過程と確率解析、数理ファイナンス、統計学等で成果があがった。国際事業としては、数々のサマースクール、ウィンタースクールに今年も多くの若手研究者を派遣し、経験を積ませ、大きな成果を得ることができた。Boston-Keio summer workshop については開催時期を変えて、アメリカ側の参加者が参加しやすくした。UK-Japan winter schoolも毎年開催しており、日英の数学者達の間でよく知られる事業となっている。特筆すべきこととして、Iwasawa 2017というこのセンターが主体となって行った研究集会は、国の内外から236名の研究者が集まり(国内138名国外98名)、大成功をおさめた。また、アクチュアリー試験を目指す大学院生、学部生を対象に実施したアクチュアリー養成セミナーは、今年度も学生のニーズに応えて、非常に役立っている。

プロジェクトメンバー

研究代表者

栗原将人

教授理工学部 数理科学科

池田薫

教授経済学部 一般

戸瀬信之

教授経済学部 一般