センター概要
慶應義塾大学・カーネギーメロン大学(CMU)・連携機関による共同研究プロジェクトを推進するとともに、ワークショップ等を開催し、 AIに関する学際的な連携を行う。身体性を有するAIおよび多言語AI、 人間と共生する自律AI、 科学的発見のためのAIについて研究を行う。
2026年度事業計画
■前年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標
2025年度に引き続き、CMUならびに連携機関とのAIに関する学際的な研究を行い、3つのテーマについて身体性を有するAIおよび多言語AI、 人間と共生する自律AI、 科学的発見のためのAIについて研究内容を深めていく。
パートナー企業からは、CMUでの研究経験を持つ学生の活用への期待感も高く、計画的に学生を現地に送るための準備を整えて、2025年度を上回る10名程度まで引き上げたい。
CMUでのワークショップの実現は、CMUの教授ならびにスタッフの協力を得る必要があるが、マネジメントレベルを含めたワークショップの実現を継続したい。
■2026年度の新規活動目標と内容、実施の背景
新たな取り組みとしては、CMUへの企業研究員の長期派遣と成果を出していただく基盤を整えることで、企業のマネジメントにも理解頂くために、PIと連携したCMUファカルティレベルの交流の活性化にも力を入れたい。
パートナー企業のトップからの期待感として、慶應義塾をニュートラルなアカデミアとして活用した、パートナー企業間連携の促進がある。パートナー企業が連携して共同研究テーマを推進するような活動をプロモートしていく。
慶應AIセンターのメンバが、パートナー企業における活動がしやすい環境構築も検討し、条件が整えば慶應AIセンターの企業内拠点を構築し、パートナー企業へのアピールも活性化していく。
プロモーションの活動は、ニュースリリースまでだったが、2026年度はKGRIと連携した慶應AIセンターの紹介ビデオや、ホームページ作成によるCMU留学生の情報発信などを試みる予定。
2025年度事業報告
■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度
慶應義塾大学の博士課程の学生を7名CMUに長期滞在させ、世界トップレベルの教授らの指導を仰ぎながらAI研究に没頭できる環境づくりを実施。企業研究員についてもCMUとの折衝を重ね、1名の長期滞在の候補を選出済。
CMUと慶應義塾大学のトップレベルの交流を実現するため、CMU Farnam Jahanian学長と慶應 伊藤公平塾長を含むワークショップをピッツバーグにて実施。パートナー企業のマネジメント、企業研究員にも参加頂いた。
パートナー企業9社との共同研究は、テーマ選択ならびに慶應AIセンター内のPIとのマッチングを済ませ、状況に応じて学生をアサインして研究を実施中。パートナー企業向け年次報告は1月中旬に完了させ、来期契約の更新中。
マイクロソフト社のAzureリソースについては、必要なサービス内容と運用ルールを7末までに確定し、8月より慶應AIセンター内での利用を開始。GPUリソースならびにOpenAIのサービス活用が拡大しつつある。
■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)
査読付き論文誌: R. Korekata, Q. Xie, Y. Bisk, and K. Sugiura, “Affordance RAG: Hierarchical Multimodal Retrieval with Affordance-Aware Embodied Memory for Mobile Manipulation”, IEEE Robotics and Automation Letters, 2026. DOI: 10.1109/LRA.2026.3653281
国内学会プロシーディング: 是方諒介, Quanting Xie, Yonatan Bisk, 杉浦孔明: “行動実現性を考慮した階層型マルチモーダル検索に基づく移動マニピュレーション”, 第43回日本ロボット学会学術講演会, 1M2-01, 2025.
国内学会プロシーディング: 天谷幸太郎, 加藤駿 (慶大, 慶應AIセンター), 澁谷崇, Julian Tanke, 福田和巳, 光藤祐基 (SONY AI, 慶應AIセンター), 五十川麻理子 (慶大, 慶應AIセンター), 時系列的整合性を考慮したテキスト指示による長系列な人物動作生成, MIRU 2025
国際学会プロシーディング: Ryosuke Hori, Jyun-Ting Song, Zhengyi Luo, Jinkun Cao, Soyong Shin, Hideo Saito, Kris Kitani , "Ground Reaction Inertial Poser: Physics-based Human Motion Capture from Sparse IMUs and Insole Pressure Sensors", IEEE/CVF Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR), 2026.
国際学会プロシーディング: Y. Wada, K. Matsuda, K. Sugiura, G. Neubig. "ZINA: Multimodal Fine-grained Hallucination Detection and Editing", IEEE/CVF Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR), 2026.
国際学会プロシーディング: Yuto Shibata, Kashu Yamazaki, Lalit Jayanti, Yoshimitsu Aoki, Mariko Isogawa, Katerina Fragkiadaki. "Learning to Assist: Physics-Grounded Human-Human Control via Multi-Agent Reinforcement Learning", IEEE/CVF Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR), 2026.
■センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄
慶應義塾大学の博士課程学生7名をCMUに長期滞在させることができ、滞在を終えた学生がパートナー企業や研究機関にての活躍を始めていること。
2024年9月の慶應AIセンター開所以来初めての、CMUと慶應のトップレベルの交流が実現でき、CMU連携の可能性がさらに深まったこと。
2024年度事業報告
■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度
当センターの設立目的は、慶應義塾大学、カーネギーメロン大学(CMU)、および連携機関が知的資源を結集し、AIに関する基礎的研究、工学的応用、科学的発見へのAIの利活用を推進することである。当センターでは、以下の3大テーマについて研究を行う。
身体性を有するAIおよび多言語AI:
画像や多種多様なモダリティ(センサ入力等)を機械学習アプローチを用いて統合するとともに、多種多様なモダリティや言語表現により理解・応答できるシステムを構築する。また、周囲の環境を認識し、相互作用する能力を持つ身体性を有する知的エージェントを構築し、自然で適応的な行動を可能とする。
人間と共生する自律AI:
自律AIシステムが人間と円滑に協力するための倫理的、社会的、技術的な側面を研究し、AI技術を日常生活に統合した共生システムの構築およびその科学的理解を目指す。
科学的発見のためのAI:
科学研究と発見の課題に取り組むためにAI技術を活用し、科学的な分野とAIの手法を統合するプロジェクトで協力し、画期的な発見を加速するとともに、分子、細胞、個体レベルでの生物の理解等、複雑な現象を理解するためのモデルを構築する。
当年度は、以下の活動を行った。
・身体性を有するAIおよび多言語AIおよび人間と共生する自律AIについて、基礎的検討および実験を行った。
・科学的発見のためのAIに関する基礎的検討を行った
・センター教員5名がCMUを訪問し、マーシャル・エバート学部長を始めとするメンバーと意見交換を行った(2024年11月)
・CMUおよびフィラデルフィア州の大学医学部・病院関係者が信濃町キャンパスに来訪し、センター教員と意見交換を行った(2024年11月)
・CMUへ学生を派遣した(2025/2月~)
■センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄
2024年9月24日、伊藤塾長、キャサリン・エリザベス・モナハン駐日米国臨時代理大使、来賓、企業代表者、センター関係者、報道関係者の参加のもと、センター開所式を執り行った。開所式の様子は日経新聞、日刊工業新聞を始めとする多くのメディアに取り上げられた。
設置期間
2024年9月14日~2029年3月31日
