センター概要
「スピントロニクス研究開発センター」は、慶大が日本のスピントロニクス研究の中心的役割を果たすことを目的として、基礎から応用の幅広い領域で世界をリードする研究成果を発信する。スピントロニクスとは、物質の電気特性と磁気特性の双方を制御することにより得られる新しい物理現象を見出し、その成果を電子・情報通信産業のイノベーションに結びつける新しい学術分野である。その創成と発展には、本塾の研究者と出身者が大きく寄与しており、今後の基礎学問としての更なる発展と産業界における応用を先導するためにスピントロニクス研究開発センターを設置した。
2026年度事業計画
■前年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標
前年度と同様に、慶大のスピントロニクス研究分野における活動を国際的に進展させるための活動を実施する。また、2025年度から4か年の計画で実施されるJST-ASPIREプログラムを活用し、慶大とヨーロッパの有力なスピントロニクス研究拠点との間で若手研究者を長期間交換派遣することにより、国際的な共同研究体制の構築と研究成果の創成に取り組む。さらに、2024年度から5か年計画で実施される科研費学術変革領域(A)を活用し、国内のスピントロニクス研究グループとの連携を強化し、世界的な研究業績を上げる。
■2026年度の新規活動目標と内容、実施の背景
センター所員それぞれの専門分野において国内外の研究機関との連携をさらに深めるため、学術変革領域研究(A)のラボローテーション制度とJST-ASPIREによる研究者交換派遣制度を活用し、国際舞台で活躍できる若手研究者の更なる育成を目指す。
2025年度事業報告
■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度
本センターは、塾内のスピントロニクス研究者の拠点であると同時に、国内外のスピントロニクス研究者間の連携を推進するスピントロニクス連携ネットワークの中心としての任務を遂行する。そのため、日本のスピントロニクス分野の研究者コミュニティの代表として、東大・東北大・阪大・京都大・慶大の5大学が「スピントロニクス学術研究基盤と連携ネットワーク」拠点形成計画を「学術研究の大型プロジェクト-ロードマップ2023」として応募し、最終ヒアリング直前の段階まで進んだ。これは、重点的な国費投入が必要な研究分野を評価・認定するものであり、慶大のスピントロニクス研究において大型予算を獲得するチャンスが大きく広がるだけでなく、拠点大学間の人材交流を通じた学術領域の発展と国際競争力の向上に繋がる。また、これらの予算を活用してセンターオフィスと共通研究スペースを開設し、センター所員の有機的な連携を実現することにより、スピントロニクス研究において新機軸を生み出す。
以上の目的を達成するため、本センターの活動を2026年度も継続する。
センター設置以降の主な活動内容(2026年1月30日現在)は下記のとおりであり、十分な成果をあげている。
・国際会議/研究会/スクールの主催・共催・協賛:4件(阪大主催のバンド計算講習会×2、PASPS、Spin-RNJ年次報告会)
・広報・アウトリーチ活動:1件
・慶大理工学部の研究共有スペースを利用したセンターの研究スペース拡充
・微細加工装置など共用設備料金の補助
・特任助教の雇用と国際共同研究(中国科学院大学)の推進
・スピントロニクスデバイス作成・評価装置の新規導入とセンター所員による共同利用の開始
・ヨーロッパの主要なスピントロニクス研究機関への若手研究者の長期派遣をサポート:3件
■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)
公刊論文数:42報(Nature Communications, Science Advances, Advanced Electric Materialsなど)
学会発表件数:国内64件、国際81件
イベントなどの社会貢献の実績:
・第29回半導体におけるスピン工学の基礎と応用:PASPS-29 (2026年3月13日, 14日、慶大日吉キャンパス)
・2025年度スピントロニクス連携ネットワーク年次報告会(2026年3月12日)
■センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄
慶大スピントロニクス研究開発センターが「スピントロニクス学術研究基盤と連携ネットワーク」の拠点大学として、当該分野の世界的にも注目を集める研究成果を挙げたのみならず、国内外の研究機関との研究交流により活動のアクティビティを継続的にアピールした結果、科研費学術変革領域研究(A)やJST-ASPIREなど大型研究費の獲得につながった。
設置期間
2021年3月1日~2027年3月31日
