センター概要
近年本邦では、企業内メンタルヘルス不調が大きな社会的問題となっている。産業精神保健の側面からは、企業内メンタルヘルス不調による長期休業者の増加、年間3万人以上の自殺者、精神障害例の労災補償申請および認定数の増加、ストレスチェックの実施義務化、「新型うつ病」といわれる若年者の出現などが問題となっているが、こうした社員のメンタルヘルス不調による影響は、当事者に取っても企業にとって大きな負荷としてのしかかっている。
こうしたメンタルヘルスの問題が企業をはじめとした社会に与える影響を精神医学・臨床心理学の知見を用いて解決していくことが、ストレス研究センターが設置された目的である。
2021年度事業計画
■前年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標
KEAPについては、複数企業から継続希望があり、これを継続していく予定である。
AMED事業で継続しているマインドフルネスの長期効果の検証については、2021年度以降も継続の予定である。
経産省およびシルバーウッド株式会社との共同事業で行なっている認知症のある人の就労の効果検証についても2021年度以降も引き続き継続していく予定である。
またバーチャルリアリティを用いたマインドフルネス認知療法の不安症に対する効果検証についても文部科学研究Cで2020年度から引き続き実施を進める。
産業精神医学の知見を深めるための研修会を開催し、産業保健領域における産業精神保健の知見を広める活動に取り組む。
■2021年度の新規活動目標と内容、実施の背景
科研Bで実施を進めている企業におけるマインドフルネスの効果検証(RCT)を2021年度から開始する。現在参加企業と実施方法について協議を進めている。
健康経営の一環として、労働者の健康状態改善を目的としたマインドフルネスの導入が1社で決まっているが、今後同様の交渉を複数の企業と進めていく予定である。
2020年度事業報告
■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度
KEAP事業を継続し、プログラムの改善と知見の蓄積を行った。現在3社で継続中である。
研修会(慶應産業精神保健カンファレンス)を開催し、産業メンタルヘルスに関する知識の獲得や教育的なプログラムを提供した。
文部科学研究にて実施したマインドフルネス認知療法のwellbeingに対する効果についてプロトコール論文をpublishし、main paperをsubmitした。
公文教育研究会の受託研究で、介護者のwellbeingに対する研究を継続中である。
AMEDの研究費助成を受けマインドフルネス認知療法の長期効果を検証するためのRCTを継続している。
慶應大学の学生、職員向けにマイドフルネス体験会を毎月2,3回継続的に実施し、のべ200人以上に参加いただいた。
効果の実証に取り組んでいるマインドルフルネス認知療法の研修を複数の企業で実施し、今後の導入発展につなげた。
シルバーウッド株式会社との共同研究で認知症の方の就労による社会的インパクトに関する研究のプロトコールを作成した。
以上の活動により、十分な達成度を得たと考えている。
■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)
公刊論文数:21
主たる公刊誌名:Psychiatry and Clinical Neurosciences, J Alzheimers Dis, Journal of Pain and Symptom Management, 精神科、精神科治療学、精神療法、Depression Strategy
学会発表件数:国内 13 国外 2
イベントなどの社会貢献の実績
慶應産業精神保健カンファレンス 3回(2020年7月、9月、10月)、複数企業にて「マインドフルネス研修」を実施した。
小寺記念精神分析研究財団「臨床家のための、産業メンタルヘルス実践セミナー」、中央労働災害防止協会「心とからだの健康づくり指導者等のための実務向上研修」等はCOVID-19流行のために中止となった。
■センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄
2020年度は、KEAP事業を継続し、その知見をさらに蓄積した。
文部科学研究にて、マインドフルネス認知療法のwellbeingに対するプログラムを開発し、RCTを完了させたうえ、その結果をまとめ論文としてsubmissionした。
公文教育研究会の受託研究で、介護者のwellbeingに対する研究を継続している。
効果の実証に取り組んでいるマインドルフルネス認知療法の研修を複数の企業で実施し、今後の導入発展につなげた。
シルバーウッド株式会社との共同研究で認知症の方の就労による社会的インパクトに関する研究のプロトコールを作成した。
AMEDの研究費助成を受けて実施しているマインドフルネス認知療法の長期効果検証のためのRCTを予定通り継続している。
社会的貢献としては、慶應産業精神保健カンファレンスを継続した。さらに、学会や講演会等の機会を活用して我々の取り組みを広く発信した。
センター オリジナルWebサイト:
設置期間
2013/06/01~2023/05/31
