慶應義塾

慶應クロスセクター・プラットフォーム

公開日:2026.06.10
KGRI

研究概要

社会課題が複雑化し増大する現代において、非営利セクターの取組への社会的ニーズが急速に高まる一方、それを担う人材や支える社会的基盤の構築が不十分である。本プロジェクトでは、日本の非営利セクターの次世代人材育成のための専門プログラムの研究開発とその実装・実践を行うとともに、社会課題の解決に欠かせない非営利セクターの持続的発展を、セクターを横断して実現する産官学民のクロスセクター・プラットフォームを形成する。

2026年度事業計画

■前年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標

1. 継続する活動内容

本プロジェクトは、2025年度に引き続き、日本の非営利セクターの次世代人材育成のための専門プログラム(Keio LEAP for Nonprofit)の研究開発とその実装・実践を行うとともに、社会課題の解決に欠かせない非営利セクターの持続的発展を、セクターを横断して実現する産官学民のクロスセクター・プラットフォーム形成を進める。2025年度に実施した「パイロットプログラム」の成果を土台とし、2026年5月からフルプログラムへと発展的に展開するとともに、クロスセクター人材の育成、研究者・実務家のネットワーク構築を行う。

2. 継続する背景・根拠

継続の背景には、2025年度に得られた実績と、社会的な需要の高さがある。2025年度に実施したパイロットプログラムには多数の応募があるとともに、オープンセミナーにも多くの参加があるなど、社会的ニーズの高さが示された。また、パイロットプログラムの実施を通して、研究者と実務家の双方に及び広範な教育体制とネットワーク構築が進み、内外の協力体制も整いつつある。これら社会的関心の高さを背景に、教育プログラムの本格実施とネットワーク形成を進める必要があり、その実施基盤についても既に整っている。

3. 目標

活動継続を通じて、プログラム質量の拡充(30回から45回へ拡充、受講者数定員を40名に倍増)、プラットフォーム形成の推進(オープンセミナー等のネットワーク機会の創出)、国内外のネットワーキング構築(国内・米国へのフィールドスタディの実施、関係諸組織とのネットワーク構築)を行う。これらの内容は、適宜社会的に発信する。

■2026年度の新規活動目標と内容、実施の背景

1. 2026年度の新規活動内容と目標

2026年度は、前年度のパイロットプログラムの成果を踏まえ、より本格的かつ広範な教育・ネットワーク構築を目指すフェーズとなる。具体的には、「Keio LEAP for Nonprofit」のフルプログラム(第1期)を実施し、期間の拡充(5月開始予定)、受講者の増加(40名程度)、教育体制の拡充(15週45回の実施)、グローバル展開(米国へのフィールドスタディ実施)などが、新規の拡充項目となる。また、あわせて、NPOケースとケース教育の実施体制を構築する。

2. 活動内容

主に以下の活動を通じて、日本の今後の市民社会を担うNPOリーダーの育成、クロスセクターで活躍する人材育成、そのプラットフォーム構築を一層進める。

・「Keio LEAP for Nonprofit」のフルプログラム(第1期)の研究開発と実施
・オープンセミナーなどの社会啓発・ネットワーキング機会の創出
・NPOケース、ケース教育の研究開発
・国内外のネットワーク拡充
・実施内容、研究成果の社会的発信

3. 実施の背景・根拠

活動を新規・拡充する背景・根拠となるのは2025年度実績である。とくに、「Keio LEAP for Nonprofit」のパイロットプログラム(第0期)を研究開発・実施し、教育手法やカリキュラムの有効性が確認され、約1年間の長期プログラムへ移行する準備が整った。また、定員を超える受講希望者や、数多くのオープンセミナーの参加者など、社会的ニーズや期待の高さがを確認することができた。2026年度の活動は、これらの取り組みから得られた知見をさらに活かすことにつながる。

2025年度事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

1. 2025年度 事業実施内容

2025年度は、非営利組織マネジメントのためのリーダー育成プログラム「Keio LEAP for Nonprofit」のパイロットプログラム(第0期)を実施しました。主たる実施内容は以下の通りです。

・パイロットプログラムの開始: 2025年9月26日から2026年2月7日まで、10週間にわたる教育プログラムを開催。
・講義・カリキュラムの開発・実践: 大学院レベルの講義(30コマ)と、ケーススタディ、ディスカッション、プロジェクト学習(PBL)を組み合わせた実践的な学習アプローチの開発・実践。
・多角的な指導体制の構築: 慶應義塾大学(KBSとSFC)の教員を中心としたコアチームに加え、25名の講師陣による実施体制を構築。
・オープンセミナーの開催: 2025年11月から12月にかけて、計3回の「オープンセミナーシリーズ」を実施。

2. 研究成果(教育・ネットワーク構築での成果)

研究、教育、セクターを越えたプラットフォームの構築を融合して実施し、主に前項の実施内容から次のような成果を得ました。

・教育コンテンツの実践的研究開発: NPOマネジメント(インパクト評価、組織戦略、リーダーシップ、ソーシャルマーケティングなど)に必要な広範な領域をカバーする大学院レベルのカリキュラムを開発・実践。
・クロスセクター・プラットフォームの構築: NPOマネジメント、民間企業、行政、中間支援組織など、多様なバックグラウンドを持つ参加者がともに考え、実践する場の構築。
・国際連携の基盤形成: 米国のNPOや教育機関との将来的な共同研究やフィールドワークに向けた検討・連携の準備。

3. 達成状況

2025年度の計画に対して、非常に高い達成度を示しました。

・受講生:多数の応募に対し、19名の受講者を選抜・受入れ。
・教育実績:計10週間、30以上の講義を計画通り実施。
・普及・啓発:オープンセミナーにのべ118名が参加し、多様なセクターから9名の登壇者を招聘。
・体制構築:30代から60代まで、多様性バランスも考慮した25名の講師ネットワークを確立。

■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)

1. 「Keio LEAP for Nonprofit」パイロットプログラムの概要

NPOの先導的人材やクロスセクターのリーダーを対象とした実践的な育成プログラム

・実施期間: 2025年9月26日(金)~ 2026年2月7日(土)全10週間、計30の大学院レベル講義を実施
・実施場所: 慶應義塾大学 三田キャンパス 北別館(5階)※一部の講義(金曜日)はオンライン受講も併用
・内容: NPOの理解、NPOマネジメント、戦略、財務、インパクト評価、リーダーシップ等の講義およびプロジェクト学習(PBL)
・受講者:19名(NPOマネジメント層、民間企業、行政、中間支援組織からの参加)

2. オープンセミナーシリーズ「NPOと社会を架橋する」の概要

一般参加者も含めたイベントを開催(のべ118名の参加)

・第1回:2025年11月8日(土)「NPOとフィランソロピーを架橋する」(三田キャンパス 北別館)
・第2回:2025年11月22日(土)「NPOとセクター間連携の構築」(三田キャンパス 北別館)
・第3回:2025年12月6日(土)「ソーシャルイノベーションの未来」(三田キャンパス 北別館)

3. 雑誌掲載

・宮垣 元「セクターを越境し豊かな市民社会をともに創る──「慶應ノンプロフィットリーダーズ・プログラム」について」『三田評論』2025年12月

■プロジェクト活動を通じて特に成果を挙げた事柄

本年度の最大の成果は、NPO、民間企業、行政という異なる背景を持つリーダーがともに学ぶ場をパイロットプログラムとして実体化させたことにあります。前項までに記載した通り、このことを通して、主に以下の成果を得たと考えます。

・多様な主体を巻き込んだ「クロスセクター・プラットフォーム」の基盤形成
・NPO等のリーダー育成プログラムの実施体制の構築、実施
・NPOの本質的理解からマネジメント、理論と実務、学際的な視野、広く日本のクロスセクター社会を先導する人材育成のための専門プログラムの研究開発
・多様なセクターからの受講者とネットワーキングの推進
・当該テーマについての高い社会的関心の喚起と普及啓発、関連諸組織のネットワーク構築

プロジェクトWebサイト:

慶應ノンプロフィットリーダーズ・プログラム

(Keio LEAP for Nonprofit)

Keio Leaders Program for Nonprofit Management

プロジェクトメンバー

研究代表者

中村 洋

教授経営管理研究科経済学、産業組織論、経営戦略論

宮垣 元

教授総合政策学部社会学、非営利組織論、コミュニティ論、社会ネットワーク論

岡田 正大

教授経営管理研究科経営学、経営戦略論