慶應義塾

プルーラリティ・なめらかな社会研究センター(PRANCE)

公開日:2026.02.27
KGRI

研究概要

【研究目的】

先進国では民主主義の機能不全が深刻化している。対立構造の固定化、暴力的言動の顕在化、SNSを通じた認知操作による社会的分断が民主主義の基盤を揺るがしている。本研究は、「なめらかな社会」(鈴木健が提唱した境界や対立を連続的に捉え直す社会構想)および「Plurality」(オードリー・タン氏らが提唱するデジタル技術で多様性と協力を両立させる民主主義の理念)の実現に向けた課題整理と実践的アプローチを確立し、日本における解決策を提示することを目的とする。

【研究内容・研究課題】

デジタル技術を活用した民主主義の強靭化と、市民社会の再接続・コミュニティ再生への貢献を探究する。技術開発コミュニティ「デジタル民主主義2030」と連携し、実践的ツールの開発にも取り組む。以下の3つのサブプロジェクトを設置し研究を推進する。

①熟議民主主義の実践:台湾・欧米の市民参加型熟議プラットフォームや参加型予算の事例調査と日本での実践。市民会議の設計・運営手法の開発。
②ブロードリスニング:AI活用による大規模市民意見の収集・分析手法の研究開発。多様な声の可視化と政策形成への活用。
③インフォメーション・インテグリティ:SNS等による対話阻害要因の分析、外国勢力による介入や悪意ある情報流布を含む偽情報対策、健全な情報環境構築の研究。

2025年度事業計画

■2025年度の新規活動目標と内容、実施の背景

1. 熟議民主主義の実践イベント開催:
収集した市民の声を基に、対面型またはハイブリッド型の熟議イベントを2026年度中に実施し、市民合意形成の実証実験を行う。

2. ブロードリスニングの実践と知見化:
AI技術を活用した大規模市民意見の収集・分析を実施し、多様な市民の声を可視化する手法の確立に取り組む。Polis、倍速アンケート、被害者インタビュー等の複数チャネルを通じてデータを収集し、分析結果を研究知見として体系化する。得られた知見はブロードリスニングの方法論として取りまとめ、他の社会課題への応用可能性を検討する。

メンバー

研究代表者

駒村 圭吾

教授(有期)大学共通 ( 三田 )憲法、立憲主義と民主政、言論法、戦後憲法史、比較憲法