慶應義塾

辻 恵子研究室 広い視野でリアルな問いを探す過程を支援する

課題の解決に向けて研究的な視点を養うこと・周産期(出産前後の時期)のケアの根拠となる知見を活用できることを目指し、少人数で開講しています。

研究領域キーワード

母性看護・助産学、遺伝看護学

広い視野でリアルな問いを探す過程を支援する

母性看護学・助産学は、主に新しい命を迎える時期にある女性や家族を対象としています。妊娠・出産により女性のからだと心はダイナミックに変化しますが、そこに至るまでにいくつもの意思決定の過程が存在します。

私は4年次のプロジェクト(学部ゼミ)と助産師選択コース(助産師国家試験受験資格取得コース)を担当しています。学部ゼミでは主に周産期にある人々の経験を深く理解し、見出された課題やより良いケアの方法を研究的な視点で探究します。近年、社会問題となっている育児不安や産後うつ、低出生体重児の家族ケア、先天性疾患を持ちながらエンパワメントする人々の体験、不妊に関する課題など、学生の興味や問題意識は多岐にわたります。

学生の自由な発想は大切にしていますが、早くにテーマを絞り込まず、広い視野で柔軟に周辺領域を掘り起こしてみることの大切さを伝えています。それを学生自身のリアルな"問い"に育て、言葉にしていく過程を支援しています。先人が築いた知見に尊敬の念を持ちつつ、文献を批判的に読みすすめることから始めます。学生が自分の疑問を他者と共有できる言葉に置き換え、生き生きと自身の考えを表現するとき、そして困難感を覚えながら、論文を書き上げ、達成感を言葉にするとき、期待に胸が弾みます。

一方、助産師選択コースでは、自身がフィールドで提供する周産期ケアがどのような根拠に基づき検討されているのかを、基盤となる理論や既存の研究から探究しています。研究的な視点を持ちながら"知識を活用する力"を養い、確かな根拠のある助産ケアの習得を目指しますが、ゼミ生とコース履修者との合同演習は、異なる強みを持つ者同士の間で良い刺激を生んでいます。

活躍の場は異なりますが、卒業後は同じ目標に向かって協同する私たちの仲間になります。彼らの熱意あるたたずまいに触れるとき、母性看護学・助産学の視座から社会に変革を起こすのは彼らではないかと思うのです。

学びの密度が高い場所

富田 祥代 看護医療学部4年(執筆当時)

辻ゼミでは母性看護学分野における自分の学びたい事柄や興味のあるテーマを探究することができます。現在、育児期にある父親へのサポートについて検討していますが、自分はなぜそう考えるのか、なぜこの研究が必要なのか、などの大切な問いを論理的に他者に説明できる力をつけられる場所です。自分の考えや疑問を積極的に発信し、フィードバックを得ることができるので、学びの密度がとても高いです。先生が担当されている助産師選択コースとの合同演習にも参加できます。私は来春、助産学を学ぶために大学院に進学するので、そこでは将来助産師として働くうえで大切な視点や多角的な視野を得ています

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