慶應義塾

添田 英津子研究室 生命(いのち)ときずなの移植医療

添田 英津子研究室では、先端医療である移植医療と小児看護をテーマに、広い視野を備えたナースになることを目指し、研鑽を積んでいます。

研究領域キーワード

小児看護、移植看護、移行期支援

生命(いのち)ときずなの移植医療

移植医療が他の医療と異なる点は、移植を受けるには臓器提供者から臓器とですをいただかなければならないというこ。それは、移植が、人と人との関係で成り立つという感情的な医療であることを意味します。つまり、病気に苦しむ患者にとって、移植を受けるか受けないかという決断は、自らの「生いの命」ちを考えることだけでなく、人と人との「きずな」について考えることにもなるのです。患者は、いつ訪れるかわからない死を意識しながら、孤独に悩みます。

一方で、臓器提供者とそのご家族がいます。脳死ドナーのご家族は、愛する人の突然の死に直面しながらも、 「誰かの生命が救われるのなら……」というまったくの善意によって臓器を提供されます。また、生体移植では、健康な方が、ご家族の命を救うために臓器を提供されるのです。

そのような状況の中で、患者やご家族は、自分を守るための多くのバリアを無意識のうちにまとっています。そのバリアを1枚1枚はがしていくことが、私たち看護者の大事な役割です。優しい言葉をかけたり、怒ったり、叱ったり、冗談を言ったり。私は、そういう関わりの裏づけにはソフトサイエンスがあり、バリアがはがれる瞬間には、何らかのからくりがあるのではないかと思っています。それらを国内外の文献から学び、目の前の現象を可視化していくのがこの研究会の目的です。

慶應義塾大学病院では、腎臓 ・ 肝臓 ・小腸の臓器移植を行っています。現在(2015年)の肝移植は、1995年当時、一般・消化器外科の北島政樹教授の先導でスタートし、今年で20年になります。腎移植は、約30年の歴史があります。学生たちは、カンファレンスや勉強会に参加し、多くの学びを得ています。

医学の進歩が目覚ましい中で、学生たちには、患者をきめ細かに看みる感性を磨き、患者の良き見張り役となれるような奴雁(どがん)の視点を持った、優しい看護者に成長してほしいと願っています。

※奴雁(どがん):雁の群れの中で、 周囲の状況を冷静に見渡す見張り役。

移植医療を通して看護の力を磨く

栗原 佑季 看護医療学部 4 年(執筆当時)

添田ゼミでは、主に移植医療をテーマに研究をしています。移植医療では、手術を受ける時だけではなく、終わってからもずっと、医療従事者は患者さんとご家族に関わります。その関わりは医療の域を超えて、患者さんとご家族の人生に大きな影響を及ぼします。そのため移植コーディネーターをはじめとする移植に携わる者には、きめ細かに看みる力と先進的な知識・技術を有していることが求められます。

添田先生は、明るく素敵な人柄もさることながら、移植コーディネーターのエキスパートです。これからも勉学に励み、一人でも多くの患者さんに温かく高度な看護を提供していけるようになりたいと考えています。

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