慶應義塾

文武両道をいく KARATE 2020 アンバサダーは何を目指す

2015/12/15

慶應義塾大学医学部5年生の岩田樹里さんは、医学部で勉強をしながら空手で国体出場を果たし、その活動が認められ2020年の東京オリンピックでの空手正式種目化をアピールする「KARATE2020アンバサダー」に選ばれました。まさに文武両道。そんな彼女のリアルライフスタイルを聞きました。

医学の道を目指したのはなぜ?

Q:医学部に進学されるまでの経緯を教えてください。

出身はフェリス女学院です。高校を卒業して、現役で慶應義塾大学の経済学部に入学しています。医学部に入るまでが色々と複雑なのですが、経済学部に約2ヶ月間通って休学し、医学部を再受験して入学しました。

高校の時からうっすらと医学部に行きたいという気持ちはあったのですが、大変そうだし、深いきっかけがあって医学部と言っていたわけでもなく、なんとなく理系が得意だったので、将来手に職をつけたい、資格のある仕事をしたいというぼんやりとした気持ちでした。高校三年間は、空手ももちろんですが、生徒会長など高校の授業や活動にも時間を使いました。それでも現役で大学にいこうという気持ちを強く持っていて、現役で受かった慶應の経済学部へ進学しました。そこで勉強を頑張ろうと思っていたのですが、何か違和感を持ち続けていて、これでよかったのだろうかという思いが常にありました。その間もずっと医者になりたいという気持ちがずっとあって、自分の思いから逃げているだけということに気がつき、両親を説得して医学部に行かせてもらいました。

Q:休学というところで親御さんとお話されたのですか?

そうですね。母からは、最初から医学部を目指した方がいいよというアドバイスをもらっていたので、医学部にいくという決心を伝えたときには応援してくれました。父は、なぜ経済学部ではダメなのかと、色々な思いがあったみたいですが、まさか本当に医学部に受かるとは思っていなかったようです。

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慶應義塾大学医学部は文武両道

Q:慶應義塾大学医学部に入学してみた感想は?

本当によかったと思います。学校の方針が文武両道で、勉強だけではなく、体を動かしたり、色々なことを経験したりしながら学ぶというもので、その理念が自分の指針と近いと感じています。勉強だけではなく、スポーツも頑張っている学生が多く、両立する姿を見てすごいと感じたと同時に、私の居場所はここだと思えました。

Q:勉強と空手部との両立は大変ではないですか?

そうですね。今は5年生なので、臨床実習も始まり、これまでとはまったく違う生活です。さらに空手アンバサダーの活動もありますが、意外にうまくこなせています。というのも、自分一人でやっているわけではないからです。家族や部活の仲間が応援してくれて、周りの人に助けられているおかげで、日々、与えられた実習と練習をこなせているという想いです。実習は講義とは違い、変な隙間時間ができてしまうので、その合間に道場にいけるというのが、むしろありがたい環境だと思っています。

Q:空手の引退を考えたことはないのですか?

先日国体が終わり、さすがに1年後のことを考えると国家試験があるので、いつまで続けるか考えてはいるのですが、東医体6連覇は大きな目標です。最近、一つ上の先輩がまだ部活を続けていらっしゃって、そんな尊敬できる先輩を見ていたら、私も最後の最後まで選手として頑張りたいなと思えるようになりました。また、空手部の監督がよくおっしゃっている、「勝ち負けだけではなく空手を通じて強くて優しい人間になる」という考え方に魅かれて、まだまだ未熟な自分を磨きながら頑張りたいと思っています。

Q:アンバサダーに選ばれたきっかけは?

慶應のOBで、世界空手連盟の事務総長をされている方がいて、その方からご指名をいただき、全日本空手道連盟から正式に認定していただきました。今までマイナー競技だったところからメディアに出て、空手に対して日本人の興味が向いたことが、少しでも空手のために役にたてた気がして、アンバサダーになってよかったと思うところです。

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医学、そして空手との関係性

Q:医学と空手は何か共通するものはありますか?

終わりがないという点では一緒なのだと思います。常に進歩していくところが共通していて、どちらも飽きがありません。全ての病気が治せるようになるということは、今のところありません。それは空手にも言えて、全ての技が完成されることはありません。常に練習や勉強を積んでいくという意味では、共通している部分があるのかもしれません。

Q:臨床実習を始められて、いかがですか?

実際に医療の現場を肌で感じられることが圧倒的に面白いです。講義を受けているときは、生徒と先生の割合は100対1という感じですが、班での授業実習は7対1、時に1対1と距離感が全然ちがうので、心の響き方が変わってくるのだと思います。

Q:臨床実習を始められて、目指す方向性は見つかりましたか?

始めるまでは、スポーツ医学をやりたいと考えていました。それも漠然としていたのですが、空手は将来的にもずっと続けていきたいと考えていました。ただ、選手という意味だけではなく、指導者やコーチ、大会ドクターとしても続けたいという想いが強くあったので、良い意味で融合させてできる医療はないかと探していたら、小児科や整形外科に興味をもつようになりました。今は、子供の健康増進や成長の糧となるように、空手を取り入れられないか考えています。

また、診療所と道場の併設などにも憧れがあります。空手をやめてしまうのはもったいないし、何か自分にできることで、社会に貢献できればと考えています。空手は文字通り手に何も持たなくてもできるので、負荷を調節しながら、子供からご高齢の方まで気軽に始められる幅広いスポーツです。技術面だけではなく、精神的な面でも、武道家らしく相手を思いやり、一生懸命頑張って勝ったり負けたりすることを通じて、色々なことを吸収できます。医学と武道を結びつけた新しい分野をつくりたいですね。

慶應義塾大学医学部は“自由に人を伸ばしてくれる”学校

Q:慶應義塾医学部はどのような学校ですか?

先生方がとてもユニークです。学生のことを尊重してくれて、ただの上下関係だけではなく、対人間で相談を聞いてくれる先生が多いです。雲の上のような先生も多くいらっしゃいますが、そうだとしても自分の話をちゃんと聞いてくれますし、学生の講義も熱心にしてくださいます。でも受験するときは、そのようなことが全然わかっていませんでした。もともと家族に慶應義塾大学の卒業生が多かったので、割と身近な学校でしたが、反発して入りたくないと思ったこともありました。でも今では、入学できて本当によかったと思っています。

Q:これから医学部受験を考えている方に向けてメッセージをお願いします。

慶應義塾大学医学部は、ただの医学者に育て上げる学校ではありません。個性を尊重し伸ばしてくれる学校です。例えば、研究に秀でている人もいれば、スポーツをすごく頑張っている人もいます。自分にはできないことをやり遂げている友人が周りにたくさんいます。そこからお互いに刺激を受け、先生方からも様々な教えを受け、自分自身が成長していけることを実感できる魅力的な学校です。

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