法律学科3年(2023年度現在)
近年SNS 上では、匿名アカウントによる誹謗中傷や著作権侵害が社会問題になっています。しかし、日本を含むほとんどの国の制度では、被告の住所と名前がわからなければ民事訴訟を起こすことができず、被害者救済が極めて困難です。そのため、「発信者情報開示請求制度」(主に、SNS 事業者に対して、発信者のIPアドレスの開示を求めるための制度)を整備する国が増えてきました。しかし、ここで新たな問題が生じます。日本人が外国のSNS 事業者に対して開示を求めるには、どこの国の法律にしたがう必要があるのでしょうか。国際私法とはこのような問題を扱う学問です。
北澤ゼミでは、3年次に全員で協力して1つの論文を書き上げることが伝統になっていますが、私たちの代はこの問題をテーマに選びました。研究の過程で、諸外国の制度について知る必要があったため、世界15か国の法律文書をかき集め、徹底的に分析しました。国際的な視座を養う上で非常に価値のある経験になったと思います。
また、本ゼミでは毎週、国際私法に関する判例を題材としたディベートを行っています。判例や学説の対立構図を踏まえた上で、自身の立場の一貫性を維持しつつ、その優位性を主張することは、論理的な思考力を高める良い訓練になっています。こうした学びを通じて培われてゆくリーガルマインドが、様々な価値観が交錯する現代社会において、未だ見ぬ問題に立ち向かう際の羅針盤になると信じています。