慶應義塾

歴史とともに歩み日々育まれる 文武両道の精神と仲間との絆

慶應義塾体育会端艇部

2016/06/13

端艇(ボート)は日本ではあまり一般的ではない競技ですが、欧米ではとてもメジャーなスポーツです。1人乗りのシングルスカルから4人乗りのフォア、9人乗りのエイトなどの種目があり、進むボートのスピードは、速いものでは時速20kmにも達します。そのボートで1,000ないしは2,000メートルという距離を、0.1秒でも早く漕ぎきる、そんなスポーツです。

慶應義塾体育会端艇部の歴史は、1889年の設立にさかのぼります。1905年より春の隅田川を舞台に開催されている競技大会、早慶対校競漕大会(早慶レガッタ)は、今年で85回を迎え、毎年約3万人以上が訪れる伝統の一戦として、数々の名勝負を生み出してきました。

そんな歴史ある端艇部は現在部員数約80名。2015年度に主将、副将として活躍していた3名の学生に、端艇部の魅力や文武両道の精神について聞きました。

(写真左から)古川 のどか君(理工学部4年、女子主将(当時))、吉田 航君(法学部政治学科4年、主将(当時))、尾留川 敦君(総合政策学部4年、副将(当時)) ※所属・学年は取材時のものです。

究極のチームスポーツが生む仲間との強い絆

-端艇との出会い、慶應義塾体育会端艇部について教えてください。

吉田君

端艇は、高校から始めて7年目になります。他の大学は経験者ばかりが集まっているような部もありますが、慶應義塾の端艇部は、日本代表レベルの経験者もいれば、未経験者も多くいます。そういう意味では、大学から始めて日本一を目指すことだってできる貴重な体育会です。さまざまなバックグラウンドの部員がいるので、80名の大所帯をいかに一つの方向に持っていくかという点では本当に苦労します。後輩達に対しては、先輩として一人ひとりにあわせたアドバイスを心がけて、みんなで日本一を目指し日々トレーニングをしています。

-学生生活はどのような様子ですか?

吉田君

正直、勉強と端艇部の両立は大変です(笑)。年間約300日間、合宿所で仲間と共に生活しながら、練習に励む毎日ですが、その分オフの日はしっかり休もうという意識でやっています。合宿所での共同生活のおかげで仲間意識も高まり、部員同士の絆は強いと思います。慶應義塾の端艇部は特に人数も多いですし、賑やかな人がたくさんいるので、合宿所生活も楽しいです。貴重なオフの日にはもちろん勉強もしますが、部員同士で一緒に遊ぶこともあります。端艇は、究極のチームスポーツです。ここで過ごした日々は、一生の宝物になると思います。

-慶應義塾、慶應義塾端艇部の魅力を一言で言うと?

吉田君

仲間同士の間に生まれる絆、言わば家族みたいなものです。慶應義塾は、育ちのよい人が多いといったイメージもありますが、実際に入学してみて感じたことは、地道に努力している人がたくさんいる学校だということです。生まれ変わってもまた慶應義塾に入りたいです。

吉田 航君

127年の歴史、受け継がれるその精神

-入部のきっかけ、日々の練習について教えてください。

尾留川

僕は秋田の高校出身なのですが、町に川があって学校自体もボートが盛んな環境だったため、興味を持って始めたのがきっかけです。当初は、単純な動きを繰り返すスポーツなのでそんなに難しそうなイメージはなかったのですが、実際にやってみると思った以上に奥が深くて、シンプルな動きの奥に難しさが潜んでいると日々痛感しています。慶應義塾の端艇部には違うスポーツから飛び込んでくる人も多いのですが、ボートは多くのスポーツと異なり脚が固定されるため、最初のうちはバランスがとれなくてひっくり返ってしまうこともあります。膝の伸展の動きとパワーが大事になるので、下半身を鍛えるために、毎日の練習の積み重ねが大事です。我々のチームでは、いわゆるウエイトや筋トレに重きは置いていません。実際に漕ぐ動きの中で身体を鍛えていく方針です。実践練習をメインに、補強的に筋トレやランニングを行っています。

-端艇部はどのような部ですか?

尾留川

OB/OGの方々が、大会の度に応援に来てくださったり、差し入れをいただいたり、頻繁に合宿所に顔を出してくださったりと、交流が日々ありますので、日常的に肌で歴史を感じます。その感覚は、単なる伝統やプレッシャーのようなものではなく、昔から脈々と受け継がれてきた精神みたいなものとして強く感じられます。体育会という組織の中の一つなので、勝つことに真摯に向き合い、こだわりをもってやってきたと思いますし、その姿勢は百何十年経っても変わらないのだと思います。端艇部は人数が多い部なので、全員が共同生活の中で日本一という一つの目標に向かっていく難しさもありますが、その分、やりがいもあります。朝から晩まで一緒にいるので、卒業したら寂しくなるだろうなと思います(笑)。

-慶應義塾、慶應義塾端艇部の魅力を一言で言うと?

尾留川

入学前は漠然とお坊ちゃま大学というイメージがありました。ところが、実際に入学してみると、一人ひとりが何か好きなことに打ち込んでいて、仲間とともに一つの目標に向かって必死に取り組み、特別な何かを共有している人もたくさんいることに気づきました。僕の場合はそれがボートですが、人にはそれぞれ個性があって、各人が何をやるかについては、慶應義塾という枠組みは特に関係無いと思います。ただ、卒業して皆がそれぞれ違う道を歩んでいても、70~80代になっても、仲間とはずっと何らかの形でつながっていたい。それこそが慶應義塾端艇部らしさだと思います。卒業後も端艇部へのバックアップを行うことで、いずれは慶應義塾全体に貢献できるというイメージを持っています。

尾留川 敦君

日々の生活で育まれる縦と横の繋がり

-入部のきっかけ、日々の生活について教えてください

古川君

私のボートとの出会いは、大学1年生の時、しかも、少し遅めの7月入部でした。たまたま勧誘されて見学に行ったのがきっかけでしたが、見に行ってみると格好良くて一目惚れで入部しました。それからボート漬けの毎日です(笑)。朝の練習は4時半から始まります。私は理工学部なので、矢上キャンパスと戸田の合宿所との往復生活です。授業にきちんと参加して、課題は空いた時間にこなしていますので、勉強と端艇部の両立は意外とすんなりできていますね。勉強と練習の毎日なので、オフの日は友達と会ってご飯を食べたり、家でゴロゴロしたりする時間も大事にしています。

-実際に入部してみて、どうでしたか?

古川君

見学の時はそんなに難しくなさそうだと感じたのですが、実際にやってみると難しくて、見ているのとやってみるのとでは違うものだなと感じました(笑)。女子の人数は各学年1〜2名と少なく、男社会の部ではあるものの、普段の練習は私達女子も男子と一緒に行うので、体力の差はありますが、頑張れば頑張った分だけ認めてもらえて、モチベーションも高まります。慶應義塾端艇部は未経験から始める人も多く、他大学に比べるとトレーニングが少なくて実践練習が多いのも特徴です。女子の人数が少ない分、逆に他大学の女子選手とのつながりもあります。特に、早稲田大学の合宿所は隣りなので、交流がありますね。ともあれ、最高の仲間と貴重な経験がたくさんできていると感じます。普通の大学生活よりはるかに濃い、充実した4年間を送っています。端艇はチームスポーツです。社会人になっても、この経験はとても役に立つと思います。

-慶應義塾、慶應義塾端艇部の魅力を一言で言うと?

古川君

慶應義塾も端艇部も、その魅力を一言で言うなら、「個性」です。意思が強く、自分の目標に向かって頑張っているキラキラした人がいっぱいいます。慶應義塾大学は、上下間の圧力がなく、意見が言いやすい、風通しのよい環境だと思います。そんな環境だからこそ、独特な雰囲気を持った個性のある人がいっぱいいるのだろうと思います。ここで育まれた縦と横の繋がりは、一生の財産になると思います。

古川 のどか君