2020/03/23
急速に進むグローバル化。国と地域を越えた活動は、あらゆる面で活発化しており、グローバルな活躍を目指す塾生にとって国際性を身につけることは高い関心事となっています。国際性を身につける=留学と思いがちですが、国内にいながらにして国際性が身につく方法もあります。その一つが、国際学生寮での生活です。現在、慶應義塾大学には、日本人学生と留学生が共に生活する7つの学生寮がありますが、今回はそのうち、日吉国際学生寮、綱島SST国際学生寮に住む学生たちに話を聞きました。
左から
日吉国際学生寮(2017年に開設された、ユニット形式(4つの個室と共有部を、日本人学生2人、留学生2人で使用)の国際学生寮。共用キッチンや集会室など交流スペースも豊富)
栗栖菜々君(理工学部1年、福岡県出身)
Carson Heideman君(Keio International Program(KIP)、米国出身)
今井健晴君(総合政策学部3年、兵庫県出身)
綱島SST国際学生寮(2018年、Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン内に開設され、まちづくりと一体になった学生寮。プライベートを重視した居室と共有スペースを併せ持つ)
本田理梨子君(法学部政治学科2年、静岡県出身)
Deborah Gabriela Gisler君(特別短期留学生、スイス出身)
北野裕則君(商学部2年、大阪府出身)
-学生寮に入ったきっかけは?
北野君:大阪出身で、こちらには友人もいなかったので、上京していきなり一人暮らしというのは、なんだか少し淋しいかもしれないと思った時、大学のWebサイトで学生寮のことを知りました。東京の生活に慣れるまで、まずは寮で過ごそうかなと思ったのがきっかけです。
本田君:私もそうです。静岡出身で、いきなり一人暮らしは心細い気がしました。淋しいのもそうですが、セキュリティのことも心配で。
栗栖君:私も防犯のことは気がかりだったので、寮だと安心かなと思いました。
本田君:一人暮らしをしている友人は、訪問営業などで人が訪ねてきて困ると話していたのですが、寮だと受付があり、関係者以外は入れないようになっているので、そういう煩わしさもありません。
栗栖君:慶應義塾大学にはいくつか寮があるのですが、私は理工学部なので、立地的に日吉の寮は4年間を通じて大学に通いやすいと思っていました。内覧会に来た時に、館内を留学生が歩いているのを見て、こんな風に自然と海外の人と接する機会があることに魅力を感じて、日吉国際学生寮を希望しました。
Deborah君:私は海外に住むのは初めてで、生活のイメージができませんでしたが、寮に入ったおかげで友達もたくさんできましたし、生活もスムーズに始めることができました。綱島SST国際学生寮を選んだのは、世界的にも注目が集まる次世代型スマートシティ内にあり、太陽光発電で作られた電力を寮の電力として使うなど、サスティナブルな取り組みが行われているところに興味を持ったからです。
今井君:僕は、寮に住めば友達が作りやすいかもしれないと思って入りました。思った通り、すぐに友達ができました。日吉国際学生寮はおよそ半数が留学生です。日本人だけでなく、さまざまな国の友達ができたので、本当によかったと思っています。
-生活してみて、寮のどんなところが気に入っていますか?
北野君:寮と聞くと、古くて伝統を重んじるイメージが強かったのですが、建物も新しいですし、部屋も全て個室になっているから快適です。それでいて、キッチンダイニングやフリースペースなど、共用スペースもあるため、孤独感はありません。
Carson君:私の入る日吉国際学生寮は留学生2人と日本人学生2人が1ユニットで暮らしています。1つのユニットの中にリビングや洗面台、トイレといった共有部分とそれぞれの個室がありますから、プライベートは確保されつつ、交流も持てます。建物内に大きなお風呂があって、そこが気に入っています。
今井君:はじめは恥ずかしがっている留学生もいますが、一度入ると気にいるよね。
栗栖君:お風呂に入りながら留学生と話すこともあります。
本田君:私はキッチンが気に入っています。キッチンには毎日誰かがいるから、自然と会話ができます。海外の人と会話をしたいなと思っても、交流サークルなどに入るのは少し勇気がいります。でも寮なら、自分の生活の中で自然な形で交流することができます。
Deborah君:寮の目の前に大型のスーパーがあるので、買い物が便利です。それから、日用品の買い出しで困ったことがあると、すぐに同じ寮に住む人に聞けるのも助かります。洗濯洗剤もパッケージを見ただけでは分からないので、本当に助かりました。
今井君:寮にはRA(レジデント・アシスタント)と呼ばれる留学生の生活を支援する学生がいます。僕もその一人なのですが、入寮者が来る時期にはみんなでスーパーに買い出しにいく企画をしたり、ウエルカムパーティーを開いたりして、留学生が困りごとを聞きやすい環境をつくる取り組みをしています。
栗栖君:バーベキューや奥多摩への旅行など、RAは年間を通してさまざまなイベントを考えてくれているのですが、こういったイベントは日本人の入寮者にとってもありがたいです。初めての一人暮らしで心細いところがあったのですが、イベントをきっかけにたくさん友達ができて、困った時は仲間に聞けるという関係が築けました。
北野君:寮長さんや寮母さんがいるのも心強いですね。家族のようなまなざしでいつも見ていてくれるから、病気になった時も安心です。
栗栖君:終電を気にせずに勉強ができるのもいいところかもしれません。日吉国際学生寮には自習室もあります。テスト期間中やレポート提出時期にそこで頑張っている仲間の姿を見ると、自分も頑張らないといけないなと励みにもなります。
本田君:英語で出すレポートの時など、英語のちょっとした言い回しを気軽に相談できるのもよいところです。よく、国や文化の違いが話題になることがありますが、いろいろな国からきた留学生と生活を共にするうちに、国の違いや文化の違いというよりも、個性や人格の違いだなと感じるようになりました。国という枠組みを越えて、1人の人として交流することができるようになってきたなと感じています。ボーダーレスを体感できるのが寮の良さだと思います。
国際学生寮に住む学生たちは、彼らに限らず、異文化への理解を深め、コミュニケーション能力を磨く機会に恵まれ、それぞれ充実した日々を送っています。
ここで培われた力や、得られたつながりは、寮、そして慶應義塾を離れた後も彼らを支え、その世界を広げてくれるでしょう。
慶應義塾では、グローバルな人材育成の一環として、多様なニーズに応える国際学生寮の整備・拡充が進められています。
※記事中の所属・学年は掲載時のものです。