慶應義塾

三田哲学会講演会「日本における宗教人類学の回顧と展望―学説史と自分史のはざまで」

開催日

2018.4.12(木)

開催場所

その他

2018/3/9

項目1

項目2

日時

2018年4月12日(木)18:00~20:00

会場

慶應義塾大学三田キャンパス 南校舎7階473教室

講師

鈴木正崇先生(慶應義塾大学名誉教授)

題名

日本における宗教人類学の回顧と展望―学説史と自分史のはざまで

司会

三尾裕子(慶應義塾大学文学部教授・文化人類学)

講演概要

文化人類学が日本の一般の人々に対して新鮮な視野を提供した時代といえば、1970年代ということになろうか。学界においては、親族研究や機能主義に代わって、構造主義がブームになり、レヴィ=ストロースが華々しく紹介されて、E,リーチ、R,ニーダム、V,ターナーが必読書となり、山口昌男や青木保などが象徴や儀礼や神話をキーワードとして、文化について広く一般向けに語る時代が到来した。私の大学院生時代はその黄金期というべき時で、この流れは次第に宗教人類学という分野に収斂していった。私自身も現在に至るまで宗教人類学を主たる専攻分野としてきたという意識が強い。一方、宗教人類学という言葉を日本で始めて使用したのは宇野圓空で、宗教民族学を経て、古野清人、岩田慶治、佐々木宏幹などに連なる別の流れもある。西欧からの輸入による宗教人類学の展開と東アジアの植民地化の流れを汲む宗教人類学の展開は、どのように混ざりあったのか。あるいは混ざり合わなかったのか。宗教人類学を正面切って名乗る人が少なくなった現在、改めて宗教人類学の過去・現在・未来を問い、フィールドワークの自分史を、人類学・宗教学・民俗学の学説史の変遷と照らし合わせて、自省的に辿り直すことで、日本の文化人類学の現代的意義を明らかにしてみたい。

講演者プロフィール

本塾名誉教授。専門は、宗教人類学、民俗学。南アジア、中国、日本など広範な地域で調査研究に従事され、『スリランカの宗教と社会―文化人類学的考察』(春秋社 1996年/1997年に義塾賞受賞)、『ミャオ族の歴史と文化の動態―中国南部山地民の想像力の変容』(風響社 2012年/2014年に木村重信民族藝術学会賞受賞)、『山岳信仰-日本文化の根底を探る-』(中公新書 2015年/2016年に秩父宮記念山岳賞受賞)ほか、多数の著作を世に送り出されています。また、本塾文学部の教員として約30年の長きにわたり、多数の卒業生、研究者を育てられました。