慶應義塾

三田哲学会講演会「ことばの近代と柳田國男の「聴き耳」の実践:民族学と<口承>という問い」

開催日

2018.2.9(金)

開催場所

その他

2018/1/16

項目1

項目2

日時

2018年2月9日(金)17時30分から19時30分

会場

慶應義塾大学三田キャンパス 研究室棟1階 A会議室

講師

重信幸彦(慶應義塾大学文学部非常勤講師)

題名

ことばの近代と柳田國男の「聴き耳」の実践:民族学と<口承>という問い

司会

三尾裕子(慶應義塾大学文学部教授・文化人類学)

講演要旨

今回の報告では、民俗学における、他者の<声>に耳を傾けるという方法/態度について、四半世紀前から人類学周辺で蓄積されてきたフィールドワーク論を横目でにらみつつ、言文一致等の日本のことばの近代化におけることばの実践としての「聴き耳」の試行錯誤(日本の「表現の危機」)という文脈で検討する。

柳田國男は、明治三十年代に自然主義の文学者たちと深い交流を持った時期から、一貫して「文体」に悩み続けていた。特に大正期以降の「旅の学」を構想する過程においては、他者の暮らしに触れ、その<声>に耳を傾け、そして感じ思考したことを、どのような文体で叙述するかが、柳田にとって切実な問題であったと考えられる。

日本のことばの近代における柳田の試行錯誤のなかに、日本の民俗学の揺籃と歴史的展開の筋道を見出してみたい。

講演者プロフィール

1959年東京生まれ。民俗学・口承文芸学・近代都市生活文化研究。慶應義塾大学文学部英米文学科卒業・筑波大学大学院博士課程歴史人類学研究科単位取得退学。北九州市立大学教授・国立歴史民俗博物館客員教授などを経て、現在、「黒板渡り鳥」。主な著作として、『タクシー/モダン東京民俗誌』(東京:日本エディタースクール出版部,1999.9)、『<お話>と家庭の近代』(東京:久山社 2003)、『民俗表象の現在:博物館型研究統合の視座から』(小池淳一との共編、東京:岩田書院,2015.3)など。