音としての「精神」――音楽を通して「近代」を再考する 第五回 知の泉
2022/03/23
項目1 | 項目2 |
|---|---|
日時 | 令和4年4月23日(土) 14:00-16:30 (開場13:45) |
場所 | 慶應義塾大学三田キャンパス 北館ホール |
参加方法 | ・入場無料・申し込み制(下記URLからお申し込みください)。 |
講師 | 仲道郁代(ピアニスト)× 斎藤慶典(慶應義塾大学文学部教授) |
主催 | 三田哲学会 |
講演会の概要:
「シェイクスピアの「テンペスト」とベートーヴェンが見出した生への問いと許し。
ポーランドに伝わる壮大な叙事詩とショパンの人生の重なり。
ダンテの「神曲」から描かれるリストの世界の理。
そして、死せる友人の絵の世界に見出したムソルグスキーの死者への呼びかけ。
作曲家がその音楽でもって立ち昇らせる概念。その音が満ちていく様は、「知の泉」ともいえるものだ。
音の渦の中に、生への定義が聴こえてくる。
仲道郁代 」
哲学・思想史上の「西洋近代」はイマニュエル・ カントによってその基盤が整えられ、ドイツ観念論のG.W.F. ヘーゲルによってその絶頂に達したと見ることができる。「意識」 による「経験」はいかにして可能か、また、 それはいかなる事態なのかをめぐるカントの徹底した思考を継承し 、さらに展開したヘーゲルは、私たちの現実を「精神」の「現象」 する一連の過程として捉えるにいたる。 このヘーゲルと同年生まれのルートヴィッヒ・ファン・ ベートーヴェンは、同時期の西洋音楽を〈音による思考〉 として展開することで、 思考の形態に対しても音楽表現の可能性に対しても全く新たな次元 を切り拓くことになった。
この両者を主たる参照軸として、関連するさまざまな哲学者・ 思想家と作曲家を毎回異なったテーマごとに取り上げ、 音楽作品を取り巻く哲学・ 思想を中心とする文化的背景と個別の作品そのものの内実に哲学者 と演奏者がそれぞれの観点からアプローチを試みる。 この試みを通じて、「近代」とはいかなる時代だったのか、 そこから現代の私たちが受け継ぐべきものは何かをあらためて考え ることを最終的な目的とする。全十回から成る連続講演では「 パッションと理性」「悲哀の力」「音楽の哲学」「 生と死の揺らぎ」などのテーマが取り上げられるが、 その第五回となる今回は「知の泉」 というタイトルの下で以下の四つの作品を取り上げる。
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」 Op. 31-2
ショパン: バラード第1番 Op. 23
リスト: ダンテを読んで S. 161-7
ムソルグスキー : 組曲「展覧会の絵」
(全曲の演奏はありません。)