概要
今日の発展途上国において、財政基盤の安定・確保、公正な課税の実現は大きな課題となっています。この実現には、効率的・効果的な税務行政の実現が不可欠です。
1996(平成8)年4月に発足した商学研究科世界銀行国際租税留学制度は、世界銀行加盟国のうち発展途上国の税務行政などに携わる人々の学識を深め、関連分野での知見を広め、その国の将来の税務行政を指導・運営して行く人材を育成することを目的として、世界銀行からの特別な資金によって設立されました。以来、日本の国税庁・税務大学校との緊密な協力のもとに実施され、2020年度までに毎年約5名がこの制度の下で学んできました。そしてこの制度は、2022年9月から商学研究科独自の国際租税留学プログラムとして改組されました。本プログラムは現在、世界銀行やアジア開発銀行からの特別な資金によって運営されています。
カリキュラムの目的
税制を含む税務行政と経済発展との関連性を、経済運営や財政の観点から理解し判断する能力を養うこと。
課税に関する諸概念や諸方法(税法体系から税務行政まで)についての理解を深めること。
上記の学識の適用方法の要点を、実際の場における研修を通じて獲得すること。
主に1と2については商学研究科での科目の履修と研究によって、また3についてはこれらと同時並行的に実施される国税庁・税務大学校などでの研修によって達成することが期待されています。商学研究科での学究的な研鑽と税務大学校での実際的な研修とを結合させることで、総合的な能力の育成を目指しています。
本プログラムの科目は、すべて英語によって授業・指導が行われます。これらの英語科目は、国際租税留学プログラム以外の学生も、もちろん履修することが可能です。英語による専門分野の学習、研究成果の報告、そしてディスカッションを行う良い機会となるでしょう。本プログラムが開始されてから30年近くが経ち、その成果は毎年着実に積み上げられています。数多くの卒業生が母国の税務行政で重要な仕事を担っているのを見聞きするのは喜ばしいことです。また、このような国際的な人材開発は、慶應義塾のグローバル化にも資するものです。