慶應義塾

身近ななぜ?から始まる研究

登場者プロフィール

  • 桝谷奎太(34)

    商学部 会計学 准教授

    趣味は子育て。インタビュー調査や定量的分析、実務介入型調査などを用いて人を活かす管理会計のあり方を探究しています。

    桝谷奎太(34)

    商学部 会計学 准教授

    趣味は子育て。インタビュー調査や定量的分析、実務介入型調査などを用いて人を活かす管理会計のあり方を探究しています。

  • 山本祐大(21)

    商学部

    『人狼サークル HOWL』に所属。趣味はスキーと人狼。桝谷ゼミでは企業におけるダブルチェックの仕組みを、管理会計の観点から研究中。

    山本祐大(21)

    商学部

    『人狼サークル HOWL』に所属。趣味はスキーと人狼。桝谷ゼミでは企業におけるダブルチェックの仕組みを、管理会計の観点から研究中。

桝谷先生のゼミで、山本君はどんなことを学んでいるのでしょうか?

山本君

管理会計といわれる学問のゼミで、会社や組織の中で人がどう動くのかを、会計の観点からアプローチしています。桝谷先生、合っていますか?

桝谷先生

合っています(笑)。我々は常に組織の中で、人間の思いがすれ違いながら生きていると思うんですよ。たとえば、会社を大きくしたい経営者と、少しサボりたい従業員。

同じ思いで働いているわけではありません。その中で、人がどう行動するのかを考え、売り上げや利益の目標を立てたり、その進捗を確認・評価するなど、会計を使ってマネジメントしたりするのが管理会計です。

ゼミの雰囲気や、お二人の関係性について教えてください。

山本君

桝谷先生は、ゼミ生一人ひとりのことを真剣に考えてくれます。僕は大学院への進学を決めたんですが、先生が「興味があるなら、チャレンジしてみるのがいいよ」と後押ししてくださって、それが進路を決めるきっかけになりました。対話や相談もすごく大切にしてくださる先生です。

桝谷先生

山本君はすごく素直で、何でも吸収する姿勢があります。私のように研究を続けていると、知識が増える一方で、見方が少し「濁って」しまうことがあるんです。だからこそ、山本君のような先入観のない目から、私自身が学ぶこともあります。

山本君

先生でも、そういうことがあるんですね。

桝谷先生

ありますよ。学生の新鮮な視点だからこそ、見つけられるものもあります。

これまでのゼミで、ものの見方や価値観が変わった瞬間はありますか?

桝谷先生

以前、ゼミの学生が管理会計のとある組織が、新しい役割を担っているのではないかという仮説を立てたことがありました。私は経験則から「おそらく、そんな役割はまだ出てきていないだろう」と思っていたんです。でも、実際に企業調査に行ったところ、私がまだ知らない情報がたくさん出てきて、それが学生たちの仮説とぴったり合った。そういう新鮮な目で研究するからこそ、たどり着けるものがあるんだと感じました。

山本君

僕自身も、ゼミに入ってから、身近な疑問を研究のテーマにできることを知りました。実家の車を洗車していたとき、父があとでチェックしてくれるから「多少雑にしても大丈夫」と思う反面、確認されるからこそ「しっかりやらないと」とも思ったんです。その二つの感情から、企業の「ダブルチェック」に置き換えたらどうなるだろうと考えて、研究テーマにしました。

桝谷先生

そういう「なぜ?」から研究が始まるのがおもしろいところですよね。

お二人にとって、「半学半教」とはどんな関係なのでしょうか?

山本君

僕にとって桝谷先生は、研究を教えてくれる先生であると同時に、かなり身近な存在です。ゼミでは論理について厳しく指摘されますけど、ゼミの外では友だちのように話したり、相談したりできます。

桝谷先生

私も、山本君から教えてもらっている感覚があります。特に、学生にアドバイスしたことを、自分も実践できているかを常に問うようにしています。「説明をもっとシンプルに」と言うなら、自分の研究はどうなんだろう、と考える。学生に伝えるだけではなく、自分自身も実践する。言行一致を大切にすることで、教えることが自分に活きていると日々感じていますね。

※本記事は2026年時点の情報に基づき作成されたものです