慶應義塾

新たな「慶應義塾の顔」としての公式ウェブサイト刷新に寄せて

公開日:2026.04.13

執筆者プロフィール

  • 横田 絵理(よこた えり)

    その他 : 慶應義塾常任理事

    横田 絵理(よこた えり)

    その他 : 慶應義塾常任理事

慶應義塾の広報活動に日頃より多大なるご理解とご協力を賜っております塾員、教職員、そして塾生の皆様に、心より御礼申し上げます。

このたび慶應義塾は、公式ウェブサイトを全面的に刷新し、4月6日に公開いたしました。本稿では、広報担当常任理事として、本リニューアルに込めた意図と、デジタル時代における義塾の情報発信のあり方についてご紹介申し上げます。

新公式ウェブサイトの画面(イメージ)

社会のデジタル化が急速に進み、情報流通の経路が多様化する今日、大学ウェブサイトの役割は大きく変容しました。かつては公式情報を掲示する「案内板」の性格が中心でしたが、現在では国内外のあらゆるステークホルダーが最初に義塾と出会う場であり、理念と現在の姿を伝える最重要のメディア、すなわち「慶應義塾の顔」となっています。

旧サイトは長年にわたり情報を蓄積し、内容の充実を重ねてまいりました。一方で、情報量の増大に伴い「どこに何があるかわかりにくい」「関連サイトがたくさんありよくわからない」といったご指摘もいただいておりました。そこで今回の刷新では、提供者側の都合に立った「情報発信」から、閲覧者の視点に立った「使いやすさ・わかりやすさ」へと発想を転換し、ユーザー体験の向上を第1の目標に据えました。

刷新の柱は、主に3点です。

第1に、多様な利用者に寄り添うデザインとアクセシビリティの向上です。受験生、塾生、塾員、研究者、教職員、地域社会の皆様など、求める情報が異なる方々が迷わず目的に到達できるよう、情報構造と導線を抜本的に整理しました。加えて、スマートフォンやタブレットからのアクセスが主流となった現状に合わせ、あらゆるデバイスで快適に閲覧できる設計とし、誰もが等しく情報にアクセスできるよう、ウェブアクセシビリティにも配慮しています。

第2に、「生きた義塾」の可視化です。福澤先生の「実学」の精神を継ぐ研究の最前線、多様な背景を持つ塾生たちの学びと活動、医療・社会貢献など、義塾の営みは日々更新されています。新サイトでは、これらの動的な魅力を立体的に伝えるため、これまで学部などの部門ごとに分散していた義塾関連サイトやコンテンツを整理・統合し、閲覧者目線で再構築しました。各ページで関連情報を相互に提示できる仕組みを整えることで、関心に応じて義塾の多彩な取り組みに自然に触れ、理解を深めていただける構成としています。さらに、塾生編集部が学生ならではの視点で日常を発信する「Keio LIFE」、朝日新聞社との連携により慶應義塾が描く未来の姿に教員・研究者の知の最前線を通じて迫る「Keio FUTURE」という新企画も始動しました。点在していた情報を有機的につなぐことで、義塾全体の輪郭がより明瞭に伝わる場となることを目指しています。

第3に、グローバル発信力の強化です。世界を舞台に活躍する先導者を育成する義塾にとって、海外に向けた充実した情報提供は喫緊の課題です。旧サイトでは日本語のみのページが多いという制約がありましたが、今回の刷新ではAIによる翻訳支援技術も活用し、多言語化を加速させました。単なる直訳にとどまらず、海外の学生・研究者にとってわかりやすく、義塾で学び、研究する魅力が伝わる内容となるよう、表現や構成の見直しも進めています。

福澤先生は『学問のすゝめ』において、常に新しい知に触れ、自ら考え続けることの大切さを説かれました。新ウェブサイトもまた、公開をもって完成する「成果物」ではなく、社会の変化、技術の進歩、そして利用者の皆様の声を踏まえ、改善を重ねながら成長していく「生きたプラットフォーム」でありたいと考えております。

私たちは、この新しい公式ウェブサイトが、塾生の誇りとなり、塾員の皆様にとって義塾とのつながりを確かめる場となり、未来の義塾を担う若者たちにとって道標となることを願っています。「独立自尊」の気風と「社中協力」の絆を、デジタルという現代のネットワークを通じてさらに強固なものとし、世界へ向けて発信してまいります。

結びに、今回の刷新にあたり同一ウェブ基盤への統合に賛同していただき、デザインを検討するところから多大なるご尽力を賜りました関係各位に深く感謝申し上げます。読者の皆様におかれましては、ぜひ新しくなった公式ウェブサイトをご覧いただき、忌憚のないご意見をお寄せいただければ幸甚に存じます。2026年度は引き続き、研究所や一貫教育校のウェブサイトの再構築も進めてまいります。今後とも慶應義塾の広報活動への変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。