さて、「塾監局」のもう一つの意味は、事務組織の名称です。塾史事典の記述を引用しますと「三田移転当初は(中略)『義塾の事務をとるいくつかの部局の一つ』にすぎなかったが、その後時代を経るに従い塾監局という呼称は、事務機構全般を統括する意味で使われるようになり、今日に至っている。」とあります。
さきほど他大学の事務局長に相当するものと紹介させていただいた理由がおわかりいただけるものと思います。
「塾監局」の紹介だけで、多くの紙幅を割いてしまいましたが、この名称に歴史があることを感じていただけたならば、私もうれしく思いますし、私自身この「塾監局」という名称に愛着を持っています。
塾監局長は、「慶應義塾塾監局職制」において「塾長の命を受けて義塾全般の事務を統括する。」と規定されています。今までの「塾長室だより」でも、また、これからの「塾長室だより」でも、塾長、そして常任理事から様々な義塾の施策が語られることと思います。
その施策を実施する上での事務を統括するのが私の仕事ということになります。
以前、塾監局長のことを「慶應義塾の大番頭」と言った教授がいました。現代の視点では少々時代掛かった言い方ですが、その当時、私は「いい得て妙な表現だ」と感じました。
私が現在大番頭かどうかはわかりませんが、この「塾長室だより」が発信する内容の陰に「塾監局」という組織があることを覚えていただければ幸いに存じます。