慶應義塾は、「独立自尊」、「半学半教」、「社中協力」など、創設者福澤諭吉が掲げた理念を大切にし、教育、研究、医療、社会連携その他の活動を通じて社会の発展に寄与することを使命としています。義塾の活動は、塾生(学生・生徒・児童)、保護者等、塾員、卒業生・離籍者、受験生・入学予定者、患者・家族、寄付者、教職員の関係者、退職者、地域住民、取引先、共同研究・連携機関、施設利用者、イベント参加者その他の関係者など多くの方々との信頼関係によって支えられています。これらの関係者は、単なるカスタマーではなく、義塾の活動を共に支える重要なステークホルダーです。義塾では、多様なご意見に誠実に向き合い、対話を通じて教育・研究・医療の向上に努めています。
一方で、一部のステークホルダーから、教職員をはじめ慶應義塾で働く人たちの人格や尊厳を傷つけ、心身の安全や就業環境を害し、教育・研究・医療活動や学校運営に支障を及ぼす不適切な言動をうけることがあります。
慶應義塾は、すべての人の人権と尊厳が尊重される環境こそが、慶應義塾の使命を果たすための基盤であると考えています。すべての構成員が安心して働き、活動できる環境を守るため、この基本方針を定めます。
1.基本的な考え方
慶應義塾は、関係者の皆さまから寄せられる意見や要望を、教育・研究・医療の向上につながる重要な機会と捉え、誠実かつ真摯に対応します。
一方で、教職員をはじめ慶應義塾で働く人たちの人格や尊厳を侵害し、安全で健全な教育研究環境や就業環境を損なう行為については容認せず、社会通念上許容される範囲を超えた言動や態様に対しては、組織として毅然と対応し、必要な措置を講じます。本方針は、対立を生むためのものではありません。義塾に関わるすべての皆さまと教職員や慶應義塾で働く人たちとの間に、相互の人格と尊厳を尊重する建設的な関係を築き、「独立自尊」の精神にふさわしい学びと協働の環境を維持・向上させることを目的としています。
2.「ステークホルダーからのハラスメント」の定義
慶應義塾では、塾生、保護者等、塾員、卒業生・離籍者、受験生・入学予定者、患者・家族、寄付者、教職員の関係者、退職者、地域住民、自治体、取引先、共同研究・連携機関、施設利用者、イベント参加者、その他慶應義塾の教育・研究・医療・社会連携・学校運営に関わる関係者からの教職員に対する言動や態様のうち、その内容、実現の手段が社会通念上許容される範囲を超え、慶應義塾で働く人たちの健康や就業環境、教育・研究・医療環境が害されるものを、ステークホルダーからのハラスメントと考えます。
3.「ステークホルダーからのハラスメント」とみなされる行為の例
精神的な攻撃(暴言、脅迫、威嚇、侮辱、誹謗中傷、名誉棄損、人格否定、土下座の強要、差別的言動・セクシャルハラスメントに該当する言動等)(インターネットへの書き込み等も含む)
身体的な攻撃(暴行、傷害等)
威圧的な言動(大声、怒号、相手を罵る言葉遣い、攻撃的な言い方等)
拘束的な行動(不退去、居座り、監禁等)
継続的・執拗な言動(長時間、継続的、多数回の要求等)
待ち伏せ、つきまとい
不合理な特別対応の要求
過度な謝罪の要求
根拠のない金銭補償要求
プライバシー侵害(無断録音・撮影・録画やSNS等での拡散、教職員の個人情報の拡散等)
塾内外関係者や第三者への不当な通報
施設や備品等の故意による損壊、汚損
なお、上記は例示であり、これらに限られるものではありません。
正当な意見・苦情、公益通報、法令に基づく申立て、患者の権利に基づく申出、障害を理由とする合理的配慮の申出それ自体をハラスメントとして扱いません。要求内容の妥当性・合理性・公平性、手段・態様、目的、経緯、頻度、継続性、業務への影響等を総合して判断します。内容が正当であっても、その手段・態様が不当である場合は、ハラスメントとして扱います。
4.慶應義塾の対応
慶應義塾は、関係者の皆さまとの対話を重視し、信頼関係の構築・維持に努めます。
しかしながら、ハラスメントに該当すると判断した場合には、
対話・対応の中止
組織的対応への切替
施設利用の制限
弁護士等の専門家との連携
などの対応を行う場合があります。特に悪質な言動・行為により、教職員や慶應義塾で働く人たちの心身に危害を及ぼすと判断した場合には、警察その他関係機関に通報し、法的措置も含めて厳正に対処します。
5.相互尊重の推進
慶應義塾は、関係者から教職員等へのハラスメントを防止するだけでなく、教職員等自身にも高い倫理観と責任感を求め、教職員等によるハラスメントも容認しません。相手の人格と尊厳を尊重した行動に努めるよう、研修等を実施します。慶應義塾は、すべてのハラスメントの防止と適切な対応に継続して取り組み、すべての人が安心して学び、働き、活動できる環境の実現に向け、相互尊重の文化を育んでまいります。