1.本研究のポイント
- 有効塩素濃度の測定法として従来一般的な「吸光光度法」および「電気化学測定法」では、リアルタイム測定やメンテナンスフリー化について課題があった。
- ダイヤモンド電極の強みを生かして、高感度でリアルタイムにメンテナンスフリーで測定でき、かつpHや温度の影響を受けない有効塩素濃度測定システムを実現。
- 次亜塩素酸水生成装置、次亜塩素酸ナトリウム溶液供給装置、浄水、上水道、プール、浴槽、食品業界などへの展開が期待される。
慶應義塾大学理工学部化学科の栄長泰明教授は、一般財団法人機能水研究振興財団(東京都品川区、理事長:堀田国元)および株式会社堀場アドバンスドテクノ(京都府京都市、代表取締役社長:堀場弾)の協力を得て、リアルタイム測定ができる高感度な有効塩素濃度センサーシステムを開発しました。
このセンサーシステムは、食品、調理機器の殺菌やプールの消毒等に用いられる次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウム溶液の有効塩素濃度測定を目的として開発されました。ダイヤモンド電極の「高感度でリアルタイムな検出機能」などの強みを生かし、(1)水道水用(0~2ppm)、次亜塩素酸水用(0~100ppm)、次亜塩素酸ナトリウム溶液用(0~1000ppm)と広範囲な濃度に対応できる、(2)リアルタイム測定ができる、(3)溶液pHの影響を受けない、(4)溶液温度の影響を受けない、(5)電極表面の定常的なメンテナンスが不要、(6)自動で測定・記録ができる、などの特徴があります。
公衆衛生・食品・医療などの現場では、確実な衛生管理のために日常的に有効塩素濃度の測定と記録が求められるようになってきています。本センサーシステムは今後、さまざまな分野で役立つと期待されます。
このセンサーシステムは、2018年8月30~31日に東京ビッグサイトで開催される「JSTフェア2018」で発表されます。
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