このたび、慶應義塾大学医学部の小林英司特任教授を中心とする研究グループは、九州大学医学部と佐賀大学医学部との共同研究によって、ヒト由来細胞から小さな肝臓の凝集体を作り、バイオ3Dプリンターを利用して体外にて培養し、かつ、新しく開発した移植法によりラット生体内でヒト由来細胞による肝臓組織を生着させることに成功しました。
臓器を丸ごと作り上げる臓器再生研究においては、再生臓器を、試験管内や生体で大きく育て上げることが課題となっていました。今回の研究は、臓器が成熟するためには本来の血流を考えた移植の「場」と、その技術開発が必要であることを証明したものであり、移植分野における臓器の「発育」に関する課題の解決に向けた大きな手がかりになるものと期待されます。
本研究成果は、10月26日に、自然科学と臨床科学の総合ジャーナルである『Nature Scientific Reports』に公開されました。
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