「みなさんmiraiプロジェクト」は、2023年度慶應義塾未来先導基金の「未来への先導をつとめる、独立して生きる力と協力して生きる力を兼ね備えた人間の育成に資する事業」に採択されたプロジェクトで、大学生・大学院生を対象とし、キャンパスでできない学びを、最大規模の慶應の森がある南三陸町(宮城県)をベースに行う取り組みです。具体的には、研究領域・キャンパス横断で学生や教員がかかわり、南三陸「で」・「から」・「と」学ぶ、すなわち、震災を乗り越えて様々な問題に立ち向かっている現地の方々から学び、さらに日本・世界へと視野を広げて、未来に活かす知見を現地の方と交換する、そういう学びの循環を作ろうとするものです。
5月15日に、南三陸を舞台にどういう研究・活動がありうるかを考えるシンポジウムを行い、8月8日に、各自が知見を持ち寄り、南三陸町とオンラインで結んで学んだ事前学習会を経て、この度、9月8日から10日まで、第一期生による合宿が行われました。学生20名と代表の津田眞弓経済学部教授を中心として教職員7名が、山主として南三陸町の木材の世界的FSC認証にも関わっている慶應の森を軸に、町のバイオマス構想・木材(南三陸杉)・漁業(養殖)・防災(避難所運営)と、南三陸町の方々の試みや経験を学びました。
合宿中の学習プログラムは基本的に、かつて、東日本大震災のボランティア活動を中心にした「慶應義塾・南三陸プロジェクト」(2011-2020年)の参加者の大きな学びとなった内容と同じで、時間の経過はあっても、参加する学生にも様々な感慨をもたらしました。多くの参加者にとって顔を知らない先輩ではありますが、南三陸町のそこそこに沢山の先輩たちのレガシーがあり、その思いは無事にコロナ禍後の新しい世代へと渡りました。今後このプロジェクトをどのように深化させるか、バトンを受け取った彼らに期待されます。