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[プレスリリース]
骨格筋再生を促す治療候補薬の同定に成功
-筋ジストロフィーに対する治療薬としての効果に期待-

研究医療
2015/04/14  慶應義塾大学医学部

筋ジストロフィーは、筋肉が徐々に壊死し、筋肉の萎縮と筋力低下が進行していく遺伝性筋疾患です。特にデュシェンヌ型筋ジストロフィーは、もっとも発症率が高く、男児約3500人に1人の割合で発症します。その経過は2~5歳ごろに歩き難いことで診断され、10 歳代前半に車いす生活となり、20~30歳代で呼吸不全になります。現在は有効な治療方法が存在せず、新たな治療方法の開発が強く期待されています。

今回、慶應義塾大学医学部の湯浅慎介専任講師、林地のぞみ(大学院医学研究科博士課程在籍)、福田恵一教授らは、国立精神・神経医療研究センターの武田伸一トランスレーショナル・メディカルセンター長兼遺伝子疾患治療研究部長との共同研究により、このデュシェンヌ型筋ジストロフィーに対して効果が期待できる治療候補薬を発見しました。

本研究グループは、まず、筋肉の筋衛星細胞が活性化すると、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)(受容体が発現することを見出しました。そして、このG-CSFを筋ジストロフィーモデルマウスへ定期的に投与することにより、筋肉の長期にわたる再生促進が得られ、生存期間の延長につながることを見出しました。G-CSFは薬剤として既に広く用いられており、その副作用や安全性は十分に理解されています。特異的な治療方法が開発されていない重症筋ジストロフィーへ、定期的にG-CSFを注射することによって筋力回復と生存期間の延長が得られれば、革新的な治療法になる可能性があり、今後の治療薬の開発につながる研究結果であると期待されます。

本研究成果は、2015年4月13日(米国東部時間)に英国科学誌「Nature Communications」オンライン版に公開されました。

プレスリリース全文は、以下をご覧ください。

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