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[プレスリリース]
乳がんに対する術前抗がん剤治療に最適な薬剤の組み合わせを同定
-有効性・安全性に優れた適正な薬剤選択に期待-

研究医療
2014/09/13  慶應義塾大学医学部

慶應義塾大学医学部外科学(一般・消化器)教室の北川雄光(きたがわ ゆうこう)教授らの研究グループは、乳がんの術前抗がん剤治療に関する複数の臨床試験を対象として、使用される薬剤の組み合わせについての比較検討を行い、最も有効性かつ安全性に優れた治療法を明らかにしました。

乳がん全体の約20%に認められるヒト上皮細胞増殖因子受容体2(human epidermal growth factorreceptor 2 ,HER2)陽性乳がんは、従来は他の乳がんと比較して再発率および死亡率が高いとされてきました。しかし、トラスツズマブに代表される、HER2に対する分子標的治療薬の登場により、再発率の著しい改善が認められています。近年はトラスツズマブに加えて、複数の分子標的治療薬の開発が進み、治療法の選択肢が増える一方で、どの薬剤の組み合わせが最も有効性かつ安全性に優れているかは明らかではありませんでした。

本研究グループは、過去に欧米を中心として行われた、10種類の異なる臨床試験を対象に、ネットワークメタ解析という特殊な統計学の方法を用いて、治療方法の有効性と安全性の検討を行いました。その結果、HER2に対する分子標的治療薬2剤と、抗がん剤を組み合わせる方法が、現在の標準治療であるトラスツズマブ単剤に抗がん剤を組み合わせる方法と比較して、有効性において優れ、安全性では同等であることが明らかになりました。本研究成果をふまえて、HER2陽性乳がんに対する術前抗がん剤治療において、有効性および安全性の両者を考慮した、適正な薬剤選択を行うことにより、治療による副作用を増加させることなく、再発率および死亡率を抑えることが期待されます。

本研究成果は、医学雑誌「Journal of the National Cancer Institute」の電子版に2014年9月12日(米国東部時間)に掲載されます。

プレスリリース全文は、以下をご覧ください。

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