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[プレスリリース]
iPS細胞技術を用い、ペリツェウス-メルツバッハー病の病態メカニズム解明に成功 —他の小児神経難病の病態解明に期待—

研究医療
2014/04/30  慶應義塾大学医学部

慶應義塾大学医学部生理学教室(岡野栄之教授、岡田洋平訪問准教授)、小児科学教室沼澤佑子助教らの研究グループは、ペリツェウス・メルツバッハー病(Pelizaues-Merzbacher disease:以下PMD)の患者から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製し、試験管内で病態を再現し、解明することに成功しました。

PMDは、小児における中枢神経系の先天性髄鞘形成不全症の中で最もよく見られる疾患のひとつです。髄鞘(ずいしょう)は、神経細胞の軸索を取り囲む電気的な絶縁装置で、神経軸索にそった電気信号を高速化する役割を担い、発育過程における運動能力や高次脳機能の獲得において重要な役割を果たしています。このため、PMDでは主に痙性四肢麻痺や精神運動発達遅滞などの症状が生じ、今のところ根本的治療法はありません。今回、本研究グループは、重症度の異なる2人のミスセンス変異を有するPMD患者の皮膚線維芽細胞からiPS細胞を作製し、中枢神経系の髄鞘形成に重要な役割を果たすオリゴデンドロサイトというグリア細胞を含む神経系の細胞へと分化誘導することに成功しました。また本研究で解析した2例のPMD患者由来オリゴデンドロサイトで観察された病態変化の多くは、患者の重症度をよく反映しており、髄鞘形成不全症の疾患モデルとして有用であると期待されます。

本研究成果は、国際幹細胞学会(ISSCR)の公式ジャーナルである「Stem Cell Reports」のオンライン版で2014年4月25日に公開されました。

プレスリリース全文は、以下をご覧ください。

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