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[プレスリリース]
針状ダイヤモンド電極でpHの簡便な生体内測定に成功

研究
2013/11/20  科学技術振興機構(JST)
慶應義塾大学

本研究のポイント
・ダイヤモンド電極は優れた電気化学特性を持ち、センサー、水処理をはじめとした応用が期待されています。
・針状に加工したダイヤモンド電極を使って、胃のpHをリアルタイムで測定することに成功しました。
・さまざまな生体組織におけるpHモニターに使用されることが期待されます。

JST課題達成型基礎研究の一環として、慶應義塾大学理工学部の栄長 泰明教授らは、慶應義塾大学医学部の佐谷 秀行教授らと共同で、針状に加工した導電性のダイヤモンドを電極(ダイヤモンド電極)として用いることで、胃内部の水素イオン濃度指数であるpHを簡便にリアルタイムで測定することに成功しました。

pHの変化は、生体内のさまざまな生理学的状態や病理学的症状に影響を及ぼし、腫瘍組織でのpHの変化は腫瘍細胞の代謝の状態を反映することから、リアルタイムモニタリングが有用であると期待されています。しかし、従来のガラス電極では小型化が難しく壊れやすいなどの面があるため、簡便、迅速かつ高感度で、生体へのダメージが少ないpHモニタリングの方法が求められていました。

本研究グループは、ダイヤモンド電極を針状に加工し、直接胃の粘膜内に挿入することで、生体組織内でのpHを簡便に検出できる方法を開発することに成功しました。

胃炎、胃がん、胃酸過多、逆流性食道炎などの胃酸の状態に関連する症状を持つ患者において、リアルタイムに高感度でそのpHをモニターすることが可能になります。今後は、胃に限らず、食道や十二指腸をはじめ、さまざまな生体組織におけるpHモニターにも使用されることが期待されます。さらに、ワイヤレスのデータ取得システムと組み合わせることにより、従来電極では実現できないカテーテルに依存しない、患者にやさしいpHモニター法へ展開できると期待されます。

本研究成果は、2013年11月19日(英国時間)に英国Nature系オンライン科学誌「Scientific Reports」のオンライン速報版で公開されました。

プレスリリース全文は、以下をご覧ください。

プレスリリース(PDF)