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[プレスリリース]
世界初、記憶と忘却の脳内メカニズムの鍵を解明
記憶・学習障害の治療法開発への新たな期待

研究医療
2013/11/12  慶應義塾大学医学部

慶應義塾大学医学部生理学教室の松田信爾専任講師、柚﨑通介教授らは、記憶や学習といった脳機能の基盤となる機構を世界で初めて解明しました。

人間の脳では膨大な数の神経細胞がシナプスという結び目によって結合し、電気信号を次から次へ伝達します。シナプスにおける信号伝達が長期間起きやすく、あるいは起きにくくなることが記憶・学習や忘却過程の実体であり、それぞれ長期増強・長期抑圧と呼ばれます。シナプスにおける信号の伝達は神経細胞の表面に存在しているAMPA受容体が担っており、長期増強や長期抑圧はAMPA受容体の数の増減によって起きると考えられています。しかし、その分子メカニズムについては未解明の点が多く残っています。

研究チームは、特に記憶に重要な脳部位である海馬の神経細胞を用いて、長期抑圧時にAMPA受容体がシナプスから取り除かれる最初のステップを明らかにしました。長期抑圧は、記憶・学習あるいは忘却に必須の現象と考えられています。したがって今回の発見は、脳機能の理解を深めるのみではなく、認知症などに見られる記憶・学習障害の病態の解明や治療法の開発に繋がることが期待されます。

本研究成果は、2013年11月12日に米国の科学雑誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載されます。

プレスリリース全文は、以下をご覧ください。

プレスリリース(PDF)