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[プレスリリース]
針状ダイヤモンド電極でがんバイオマーカーを簡便に生体内測定

研究
2012/11/27  科学技術振興機構(JST)
慶應義塾大学

JST課題達成型基礎研究の一環として、慶應義塾大学理工学部の栄長 泰明教授は、慶應義塾大学医学部の佐谷 秀行教授らと共同で、針状に加工した導電性のダイヤモンドを電極(ダイヤモンド電極)として用いることで、がんのバイオマーカーの1つである還元型グルタチオン(GSH)の濃度をマウスの生体内で直接測定することに成功しました。
GSHは、がん細胞の治療抵抗性注に関わる重要なバイオマーカーであり、がん組織内における濃度や増減を知ることは治療の効果を判定する上で非常に有用であると期待されています。また、がん組織の中のGSH濃度が低ければ、薬剤や放射線治療の治療効果が上がることが動物実験で明らかになっています。そのため、人でもがん組織中のGSHが低下しているかどうかを見ることで、治療の効果を事前に推定できる可能性もあります。しかし、従来の方法では、がん組織を体内から採取する必要があるため、組織採取の困難さや前処理に時間がかかるなどの問題点があり、医療現場では使われていません。がん治療における有効性の検証や診断技術の開発に向け、生体内でGSH濃度を計測できる簡便な方法が期待されていました。
本研究グループは、ダイヤモンド電極を針状に加工し、直接がん組織に挿入することで、生体内のGSH濃度の変化を簡便に検出できる方法の開発に成功しました。
今後、放射線や化学療法などのがん治療においてGSH濃度をリアルタイムでモニタリングが可能となり治療効果の迅速な判定方法の開発が実現すれば、新しい「簡易かつ高感度な病態診断法」としての利用が期待されます。
本研究成果は、平成24年11月29日(英国時間)に英国オンライン科学誌「Scientific Reports」で公開されます。

プレスリリース全文は、以下をご覧ください。

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