このたび、慶應義塾大学の呼びかけで、下記米国・英国・日本の大学の有志が世界初の国際連携組織「InterNational Cyber Security Center of Excellence (INCS-CoE)」を設立する運びとなりました。米国の大学からはStanford University, UC Berkeley, MIT, University of Maryland Baltimore Country, Northeastern University、英国の大学からはUniversity of Oxford, University of Cambridge, Imperial College London, University College London、日本の大学からは東京大学、東京電機大学、情報セキュリティ大学院大学、慶應義塾大学の有志が参加します。
サイバー空間の特徴であるボーダーレス環境においては、一国や一組織だけではサイバー脅威への対応は十分とは言えず、国際間で連携した取り組みが必要不可欠です。その第一歩としてINCS-CoEは、大学という中立的な「場」を提供することで、国際間や組織間の壁を越えた問題に取り組みます。将来的にはINCS-CoEを発展させて、国際間の産官学連携への拡大を目指します。
現在、各国のサイバーセキュリティの取り組みには様々な組織形態があります。米国においては、大学のサイバーセキュリティセンター等が自ら問題解決に当たる場合や、National Institute of Standards and Technology (NIST) 等の政府機関主導による産官学連携のNational Cybersecurity Center of Excellence (NCCoE) で取り組む場合があります。英国においては、Government Communication Headquarters (GCHQ) 等の政府機関認可による13大学のAcademic Centre of Excellenceが核となり問題解決に取り組んでいます。日本では、サイバーセキュリティ関連のCoEは存在せず、政府機関、民間企業、大学等のサイバーセキュリティセンター等で、問題解決に当たっています。
INCS-CoEは、大学の有志自らが国際間連携を前提に設立し、世界のサイバー空間の安心安全に貢献していきます。当初のテーマには、サイバー脅威の情報共有に関する政策、制度、運用、基盤、技術、教育等が含まれます。本来、CoE の「Center」の意味するところは物理的に「人が集まる場所」であるように、INCS-CoEは世界各国の人々が「Face-to-Face」で問題解決を図りながら協業する「場」を提供していきます。さらに、サイバーセキュリティ国際シンポジウム等を定期的に行い、情報や成果の共有を目指します。
今後は、より具体的なサイバーセキュリティの諸問題を検討し、ユースケース等による解決方法を示します。その主要テーマに関しては、現在注目されている IoT、AI、重要インフラ、プライバシー等へも展開を行います。慶應義塾大学は、今回参加した大学と共に、今後世界の様々なCoEとの連携を図っていきます。
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