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福澤先生ウェーランド経済書講述記念講演会開催

 
2011/05/17  慶應義塾

戊辰戦争のさなかの慶応4年5月15日、江戸中が騒然とする中、福澤先生は動ずることなくいつものように舶来のウェーランドの新著を講述し、学問研究の一日もゆるがせにできない事を塾生に示しました。慶應義塾ではこれを記念し、5月15日を「福澤先生ウェーランド経済書講述記念日」として毎年記念講演会を開催しています。

今年は5月16日(月)、三田演説館にて小室正紀経済学部長により、「福澤諭吉の経済論」という演題で講演会が行われました。

小室経済学部長は、一貫性がないと言われる福澤諭吉の時事的経済論を個別に検討しながら、その背後にある経済思想の根幹を考察したいと述べ、不換紙幣整理、景気変動、米価の下落・高騰、銀貨の下落といった当時の経済状況とそれに対する福澤の経済論を紹介し、福澤の経済論には有効需要の維持と完全雇用の達成という一貫した目的があると論じました。福澤経済論の基本は「天下一夫も仕事を得ざる者なからしむる」(「外債論」明治18.12.)にあり、それにより達成される「一身独立して一国独立す」(『学問のすゝめ』第3編)が福澤の最終目標であったのだろうと結びました。

演説館は立ち見が出るほどに聴講者が集まり、皆熱心に耳を傾けていました。

なお、講演録は慶應義塾機関誌『三田評論外部サイトへのリンク』に掲載予定です。
講演する小室経済学部長
▲講演する小室経済学部長
聴講席の様子
▲聴講席の様子

質疑応答の様子
▲質疑応答の様子
新緑に囲まれる三田演説館
▲新緑に囲まれる三田演説館

撮影:石戸 晋