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福澤先生ウェーランド経済書講述記念講演会開催

 
2009/05/18  慶應義塾

戊辰戦争のさなかの慶応4年5月15日、江戸中が騒然とする中、福澤先生は動ずることなくいつものように舶来のウェーランドの新著を講述し、学問研究の一日もゆるがせにできない事を塾生に示しました。慶應義塾ではこれを記念し、5月15日を「福澤先生ウェーランド経済書講述記念日」として毎年記念講演会を開催しています。

今年は5月15日(金)、三田演説館にて、前田富士男名誉教授により、「モダン・デザインへの眼差し-美術史学からみる福澤諭吉」という演題で講演会が行われました。

前田名誉教授は講演の中で、「国光は美術に発す(一国の力は、美術にあらわれる)」という言葉を残している福澤諭吉は、美術・芸術に対する造詣がとくに深かった訳ではないが、福澤の芸術に対する眼差しには1862年のヨーロッパ訪問で接した近代市民生活との出会いが大きな影響を与えており、そこには当時パリやロンドンで流行っていた乳母車、椅子等のプロダクト・デザインへの関心、合理主義的芸術観があると紹介しました。

また、マネの絵画「チュイルリー公園の音楽会」の中に描かれている椅子は、プロダクト・デザイン創始者であるM・トーネットの椅子であることなどを指摘し、美術史学から福澤諭吉を論じる講演に約130人の参加者は熱心に耳を傾けていました。

なお、講演録は慶應義塾機関誌『三田評論外部サイトへのリンク』8・9月号に掲載予定です。
三田演説館
▲三田演説館
前田富士男名誉教授
▲前田富士男名誉教授

講演の様子
▲講演の様子
会場の様子
▲会場の様子

撮影:石戸 晋