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ヴァルタン・グレゴリアン氏およびピーター・マサイアス氏に対する慶應義塾大学名誉博士の称号授与式開催

 
2008/11/18  慶應義塾

11月7日午前11時から、三田演説館にて、ヴァルタン・グレゴリアン氏およびピーター・マサイアス氏に対する慶應義塾大学名誉博士の称号授与式が行われました。

授与式では、坂本達哉常任理事の司会のもと、長谷山彰文学部長がヴァルタン・グレゴリアン博士の推薦文を朗読、安西祐一郎慶應義塾長がグレゴリアン博士に名誉学位記を授与しました。続いて塩澤修平経済学部長がピーター・マサイアス教授の推薦文を朗読し、安西塾長がマサイアス教授に名誉学位記を授与しました。
慶應義塾大学の海外協定校の学長等代表者が列席するなか、安西塾長は式辞の中で、慶應義塾や演説館の歴史についても触れ、グレゴリアン博士とマサイアス教授の挨拶では、それぞれの慶應義塾との関わりが語られ、式は終了しました。

グレゴリアン博士は、アメリカのブラウン大学の学長、ニューヨーク公共図書館の館長などの要職を歴任、また、近現代の中東イスラーム世界史、特にアフガニスタンの歴史の専門家として、1969年に『近代アフガニスタンの誕生』を記しました。これは、アフガニスタンが今のようにイスラーム復興という時代環境のなかで国際的に重要な地域になるとは誰も夢想だにしていなかった時代に先駆的歴史研究書となりました。さらに2001年9月11日、ニューヨークとワシントンにおける同時多発テロ事件以降は、これまでのアフガニスタンに関する基礎的な研究を踏まえ、イスラームについての啓蒙活動、社会的発信を精力的に行い、これは『イスラーム』に結集されています。

マサイアス教授は、イギリスのケンブリッジ大学ダウニングコレッジ学寮長などの要職を歴任、専門は英国経済史で、経済史研究者として名高いオックスフォード大学のChichele 経済史講座教授を務めたほか、国際経済史学会会長、英国経済史学会会長など要職も歴任しました。また、皇太子徳仁親王殿下がオックスフォード大学に留学された際に研究指導を務めるなど、日本との関係が深い研究者です。1969年に刊行されたThe First Industrial Nation: Economic History of Britain, 1700-1914, Methuen は、1700年以降のイギリス経済が工業化を経て成熟していく過程を国際的視野から概観した名著で日本においても『最初の工業国家』(小松芳喬監訳、日本評論社、1978年、改訂版1988年)として刊行されているほか、また最近では、『経済史講義録-人間・国家・統合-』(関西大学経済史研究会編訳、晃洋書房、2008年)が刊行されています。

安西塾長からグレゴリアン博士に名誉学位記を授与
▲安西塾長からグレゴリアン博士に名誉学位記を授与
安西塾長からマサイアス教授に名誉学位記を授与
▲安西塾長からマサイアス教授に名誉学位記を授与

挨拶するグレゴリアン博士
▲挨拶するグレゴリアン博士
挨拶するマサイアス教授
▲挨拶するマサイアス教授
撮影:中村 邦彦